さむいさむいイヴの夜。ひとりぽっちのさみしいロバのもとに、鈴の音をひびかせてサンタクロースがやってきます。一緒に荷物をはこぶロバ。そして―。聖夜をいろどる心あたたまる物語。
このお話を書こうと思った作者も絵を描かれた方も、とても丁寧に本にしてくださったのだなあ、と心を打たれます。訳の日本語も、声にのせやすい、言葉遣いです。
イブの夜から始まる場面は、夜らしい静けさに満ち、少ない色使いは、物語と向き合う丁寧な気持ちを呼び起こしてくれます。サンタクロースの衣装に白が選ばれていることも、クリスマスの真髄をを際立たせていて、年老いたロバに起きる奇跡を、心から祝福できるのです。
最後のプレゼントがもたらされる夜明けに向けて、ほんのりと色使いが暖かく明るくなっていくのも、なんと素敵でしょう!
全編にほどこされている銀の縁取りも目を見張ります。
子どもと一緒に寝る前に本を読んでいたときに、出会いたかった本でした。 (あさやんさん 50代・その他の方 )
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