ゲンタが成長するにつれて、戦争の影がしのびよってくる。そして、東京大空襲の日。家族とはぐれてしまったゲンタに、戦火が迫ってくる。ところが、炎の壁を切り裂くようにあらわれたその男は、おばあちゃんが熱心に信じていたカッパに見えたのであった…。著者が戦災孤児となった体験をもとに、戦争の悲しさと平和の大切さを丁寧に伝える。
時代は移り、おとぎ話はどんどん増えてゆくのです。
その中には、本当の話が実はいっぱいあるのかもしれません。
今、平和な日本でいられるのも、そんなおとぎ話のお陰だろう、
そう思います。
カッパを私は見たことがありません。
だから昔のゲンタと同じです。
でもこの頃、自然の猛威、時として暗くて大きな力を感じます。
それがもし、人や国が引き起こすものだとしたら?
ゲンタのおばあちゃんの気持ち、少しわかる年齢になりました。
平和を願っても、持っていられるようなものではありません。
カッパがなぜ今現代も人間にいるのか・・・。
水の中にいるはずのカッパが、なぜ火のカッパになるのか、
とても大きな宿題をもらった気がします。
漆原智良さま、ももこ画伯、感謝です。 (もゆらさん 60代・その他の方 )
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