いいお天気の日曜日。 「あーあ、みんな ぼくのことなんか わすれちゃったんだ。ぼくが こんなに いいおてんきに してあげたのに」 だれもいないおうちの窓で、てるてるぼうずがぷんぷん怒っています。 「ぼく、もう こんなおうちに いたくない。いえでしてやる!」
さあ、きりりとした眉で窓から飛び降りたてるてるぼうずくん、いったいどこへ行くのでしょう。 ちょうちょといっしょに、小さな家や畑がある小径を歩き、坂道をのぼっていくと……、空から大きな鳥が舞い降りてきます。 鳥はトンビで、巣に持って帰るお昼ごはんを探していたのです。 てるてるぼうずはトンビと一緒に巣へ。 ところが、トンビの奥さんの機嫌を損ねてしまい……!?
多くの子どもたちに愛される名作絵本『わたしのワンピース』をはじめ、50年以上もの間、作品を世に送り出してきた西巻茅子さん。 80歳になられた今も、生き生きした線と色で絵本を描き続けています。
前半は旅がどうなるかわからない冒険風でいて、後半は、てるてるぼうずが新しい友だちを見つけるまでの、あたたかい生活感がにじんだおはなしになっています。
のびやかで自由自在な、クレヨンの絵の味わいは、西巻茅子さんならでは。 西巻さんは、刺繍で制作した三つ子のこぶたのシリーズや、リトグラフの『ふんふん なんだかいいにおい』『まこちゃんのおたんじょうび』、絵の具があざやかな『はけたよ はけたよ』など、様々な画材でかわいい絵本を描いています。 ぜひ他のいろいろな作品も手にとってみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
日曜日、だあれもいない家の中で、てるてるぼうずがプンプン怒っています。 「みんなぼくのことなんか忘れちゃったんだ。ぼくがこんなにいいお天気にしてあげたのに!」 家を飛び出したてるてるぼうずが、我が家を見つけるまでの楽しいおはなし。
せっかくお天気にしたのに、自分だけおいていかれた、てるてるぼうず。今まで、てるてるぼうずの気持ちをかんがえたことがなかったけれど、なるほど、そう思うよねと思ってしまいました。少しハラハラするところもありましたが、てるてるぼうずの幸せな様子に、ほんわかとした気持ちになりました。かわいくて、楽しくなるような絵が素敵です。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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