大人も子どもも“名作を読もう” 安房直子+いもとようこ もぐらは長い長い年月をかけ、深い深い井戸を、いったいなんのためにほったのでしょうか……
年月をかけ井戸を掘るモグ吉。おいしい水が出始めると銀貨がたくさん舞いこみます。それを束ねて首飾りにしていたモグ吉でしたが…
自分の土地を持って、長い年月をかけて井戸を掘ったもぐらは素晴らしい成功者だと思います。
その労力に見合う商売をしたって、それは企業経営として成り立っものではないでしょうか。
ただ、もぐらは大きなボタンのかけ違いをしてしまいました。
企業としての井戸水販売は、人々に喜ばれる価値があったから成り立ったのです。
もぐらが欲望にしか目がいかなくなったとき、こんな破滅が待っているのかも知れません。
自分の掘った井戸で死んでいくもぐらに、イソップの現代版を感じました。
大人に教訓を与える絵本でした。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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