ダイヤモンドはとても高価な宝石です。
特にこの絵本のように大きなダイヤモンドならば、なおのことでしょう。
この絵本には「富を考える」という副題が付いています。
このダイヤモンドは大きな富であるには違いありませんが、同時に装飾品です。
かつては身につける人を引き立てていたダイヤモンドをおじいさんが買いました。
おじいさんは資産として手に入れたのです。
自分たち家族の生活を支えるために購入したダイヤモンドを、おじいさんはイングランド銀行に保管しました。
おじいさんは、オランダに住むユダヤ人で第二次世界大戦が始まろうとしていました。
この絵本は、富について考える絵本だと思います。
設定された時代背景で、ダイヤモンドはお金よりも確かな富だったに違いありません。
それにこれからの人生設計に重要だったものにも違いありません。
しかしおじいさん家族は、イギリスには渡らず、ユダヤ人迫害に呑み込まれたようです。
おじいさんは、収容所から帰ってきませんでした。
娘夫婦は、隠れ住んでいて難から逃れることができました。
娘はロンドン銀行にあるダイヤモンドを取りに行こうという気持ちにはなれません。
仮想の話ですから、ここから先は口を閉じましょう。
タラレバのお話ではあります。
こんな資産を持っていない人には雲の上の話かも知れません。
でも、生きることの上で、多くの選択を続けてきて今があるのかも知れません。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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