氷をつかって冷やす、電気を使わない冷蔵庫。 食卓にならぶのは、お肉の代わりにクジラ肉。
そこは日本、東京は下町の風景。 今となってはすべてが新鮮! 元号が令和に変わり、平成さえ過去になった今、ほんの60年前までだれもが生きていた、近くて遠い「昭和」という異文化が絵本の中に蘇ります。 実際に昭和30年代の東京で子ども時代を過ごした著者らが描く本作は、子どもの目線から見た昭和の下町生活について、知ることができます。
お店の広告を背負って街をねりあるく、パフォーマンス集団「チンドン屋」。 ハエの死骸を封筒にいれて学校にもっていくと、ごほうびがもらえたという「衛生週間」。 今となっては見られない文化や風習を、当時の子どもたちはどう思っていたか? 映画館や駄菓子屋など、現在も残る文化が、昭和のころにはどういう姿だったのか?
「たのしそうでうらやましいな……」と思うところもあり、「こんなのぜったい耐えられない!」とおどろかされるところもあり—— ほんの60年くらい前、日本はこんなにも今と違ったのかと思うと、その変化の早さに目を見張ります。 子どもたちの生命力をそのまま描きこんだような楽しげなイラストと、実体験にもとづく思い出を語るような解説とがあいまって、あたかもそのときその場で下町の空気を吸っているような、濃密な昭和体験が味わえます。
いざ童心にかえり、昭和30年代の日本にタイムスリップ!
絵本作家の高部晴市氏が育った、昭和30年代の東京の下町のくらしと、貧しくとも逞しく元気だった子どもたちの姿を、生き生きと描いた1冊。とうふ屋、駄菓子屋、風呂屋など懐かしのお店を、当時の思い出と共に解説します。絵に添えられた詩は、高部氏と共に育った双子の弟、高部雨市氏による書き下ろし。味のある絵とユーモラスな詩で、甘酸っぱい「昭和ノスタルジー」がここに甦ります。
高部晴市さんの絵と高部雨市さんの詩、お店屋さんについての解説、コラムという構成です。
コラムには、昔の写真もあります。
高部さんご兄弟の子ども時代のご近所の様子が、生き生きと描かれています。
私は高部さんより8歳下で育った地域も違いますが、小さい頃のことを思い出しました。
ガリ版刷りの手法が、レトロな昭和の雰囲気にちょうどいい感じです。 (みいのさん 60代・その他の方 )
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