原爆をうけ、生きのこった一本のエノキ。そのエノキを守る子どもたちの姿を描く、平和の絵本。
中学校の読み聞かせで再読しました。
広島の病院の傍らにあったエノキが、あの原爆と戦後とそして現在にわたって伝え続けているものがあります。
それは生きることの尊さ。
病院で負傷兵たちの憩いの場であったエノキの木陰は、原爆が投下された朝一変しました。
多くの命を失って荒廃した広島で、枝を吹き飛ばされても生き続けるエノキ。
復興していく町の中で残ったエノキですが、洞にゴミを投げ入れる人たちがいることを悲しんでもとまち小学校の児童たちがエノキを守る活動を始めました。
数人の児童たちの思いが拡がっていくのです。
子どもたちの願いを拒絶するように2度の台風で枝が折られ、幹の上の方が失われてしまったエノキ。
それでも子どもたちの願いは通じました。
樹医の手当のおかげでエノキは再生し、自分の子どもたちを育てたのちに一生を終えました。
この絵本には原爆の恐ろしさとともに、再生する力と未来にかける思いが込められています。
今年亡くなった長崎源之助さんが、戦争の悲惨さについて書き続けた絵本や物語の中で、光が見える作品です。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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