舞台は博士の研究所。ここで博士は助手くんと毎日研究をしているのです。あ、今日も新しい発明ができたようですよ。何を見せてくれるのでしょう。ワクワクしますね。
「はかせ、またですか?」 (どうやら助手くんにとっては珍しくもないようです。)
登場したのはプール。何の変哲もないように見える、水の入った四角いプール。ところがこれは、入れたものが何でも大きくなるプールだと言うのです。
「えー、ほんとうですか?」
博士がプールに何かを入れると大きくなり、水面にその一部が顔を出します。それをヒントに水中に沈んでいるものの正体を助手くんに当てさせるのです。「そんなの簡単だよ」そう思うでしょ? ところがこれが結構難しい。巨大化した白と黒の丸いもの、巨大化した木の枝みたいなもの(しかもちょっと動いている)、赤い丸ふたつ、長い丸の穴ふたつ。答えは全て水を抜いて。意外なものが次から次へと登場します。最後は、すごくよく見たことあるような……。
ものの一部を見せてあてっこする。そう説明するとただシンプルなお話なのですが、これが何だか笑っちゃう。繰り返されるほど笑っちゃう。だってなんか「へん」なのです。作者はグラッフィック・デザイナーとして活躍されている中村至男さん。何が頭を出したら面白いのか、それを見たら人は何を想像してしまうのか。そんな事をいつも考えているのかもしれませんね。
お茶目でかなり天然な博士と、冷静に見えて振り回され続けている助手くん、そんな二人の会話劇も味わいながら楽しんでみてくださいね。続きが見たいなあ…。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
博士が何でも大きくしてしまうプールを発明しました。水面から出た一部を手がかりに、水中に沈んでいるものの正体を助手にあてさせます。人の認知能力と想像力をユーモアたっぷりに刺激する作品です。亀倉雄策賞(2018年)、毎日デザイン賞(2019年)を受賞したグラフィック・デザイナーによる新鮮な驚きと喜びを与えてくれる絵本。
入れたものがなんでも大きくなるプールを
発明した博士。
ものの一部が水面から出ているので
子どもも何だろうと
当てながら楽しんで見ていました。
小3の息子は全問していました。
(もしかしたら先に見ていたのかもしれませんが…)
博士と助手くんの掛け合いも
面白くて、楽しく読めました。 (まことあつさん 30代・ママ 男の子12歳、男の子9歳)
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