原題: Maiden & Princess
真実の愛はきっとすぐそばにある。
王子の花嫁さがしのための舞踏会に、村娘は参加しました。 いちばんの花嫁候補と思われていたその娘には、王子との未来を想像することがどうしてもできなくて……。
あるとき遠い王国で、王子の花嫁をさがすための舞踏会に、強くて勇敢な娘が招待されました。 しかし、彼女はほかの女の子たちと違って、舞踏会に出席したくありませんでした。 母親に説得されてお城へ出かけた彼女は、出席していた全員―― 村人たちから王と王妃まで――に強い印象を与えましたが、 最後には思ってもみなかった場所で、真実の愛を見つけるのです。
同じダニエル・ハークが書いた「王子と騎士」と対になる絵本です。絵にクセがあってすんなりと入ってこないところはあるのですが、物語として考えさせられました。
王子の花嫁探しの舞踏会に行った村娘は、日ごろ共に王子と一緒に戦場に出ている勇敢な同志のような存在でした。
娘は王子をパートナーとして感じることができないのです。
そして、こともあろうに舞踏会で娘は王女と恋仲になってしまうのです。
カップルとしての二人を、あっさりと認めてしまう王様とお妃様のおおらかさのために、絵本はとても簡潔です。
女性どうしの同性婚を描いたこの作品ですが、世界はこれほどまでにおおらかではないでしょう。
でも、王様の世継問題とは関係しないので、こちらの方が現実的なのかもしれません。
LGBTQを考える絵本でした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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