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いじめと同調圧力、 大人が果たすべき役割……
現代にも通じる少年たちの問題を 戦争の影の下に描き出す 名手による緊迫の群像劇!
「なぜ、殺してはいけない? 戦争の時、大人は人を殺したじゃないか」
人間を深く見つめる著者が 危機的状況におちいった少年たちを 温かく見つめ ヨーロッパで感動の渦を巻き起こした ドイツ発の話題作。
終戦直後、混乱期のドイツの農村。 十代前半の少年たちは、ある日、 難民の子ギュンターをいじめてしまう。
ギュンターはそのことを誰にも訴えないが、 大人にばれるのを恐れた仲間のリーダーは、 「あいつを殺そう」と言い出す。
表立って反対することができない 主人公フレディは、 隣家の年上の少女に助けを求めるが…?
子どもたちの間の同調圧力といじめ、 大人が果たすべき役割など、 現代にも通じる問題を 戦争の影の下に描き出す、 名手による問題作!

子どもたちが、一人の障がい児をいじめの上に殺害まで犯そうとする、衝撃的な内容の小説です。
著者自身が体験した事実に基づいているというところに震撼としました。
殺伐とした事件が続く現代だから響いてくるのでしょう。
人は何をしでかすかわからない生き物なのです。
おぞましい呪縛から解放されることも、できるのが人間なのでしょう。
息詰まるラストの展開に振り回されました。
何よりも、タイトルが「ぼくたちがギュンターを殺した日」でなくて良かったと思います。
自分ごととして、小説の中に自分を置いて考えたい物語です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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