ニャンルーは森で暮らす猫の女の子。 ある日、編み物をするおばあちゃんを見て、自分も編み物をしてみたいと言い出します。
そこでおばあちゃんが出してきたのは、亡くなったおじいちゃんの青いセーター。 ニャンルーはこの青いセーターをほどいた毛糸で、長い長いマフラーを編むことにしました。
おじいちゃんが好きな青色のセーター。 おばあちゃんが染めた毛糸で編んだセーター。 おじいちゃんがニャンルーを抱っこするときに着ていたセーター。 たった1つのセーターにも思い出がいっぱいです。 そして、ニャンルーにはマフラーの巻き方のアイデアがいっぱいありました。
マフラーが完成して、ニャンルーが巻いてみせると、みんなが言います。
「わあ、おじいちゃんの マフラー、おしゃれ!」
おじいちゃんのセーターはマフラーになっても、おじいちゃんの思い出がつまったまま。 そして、これからはニャンルーの思い出も積み重なっていくのです。
おじいちゃんは亡くなったけれど、ニャンルーたち家族とのつながりは消えません。 ニャンルーの家族みんなを包み込む長い長いマフラーのように、思い出もまた、みんなを結び付けてくれるものだと感じられるお話です。
作者は、自然豊かな森の中で、ネコたちと身近にある小さいものを大切にしながら暮らす、どいかやさん。ニャンルーたちの暮らしは、まるでどいかやさんの生活そのもののように感じます。 寒くなる季節に、心がポッと温かくなる一冊です。
(近野明日花 絵本ナビライター)
ニャンルーは、森のコナラの木の下の家に、お父さんとお母さん、そしてまだ小さいふたごの弟たち、ニャンクーとニャンムーといっしょにすんでいます。 ある日、ニャンルーがじぶんでつった魚をおばあちゃんの家にもっていってあげると、おばあちゃんはニャンルーたちのためにぼうしを編んでいるところでした。 それを見て、「わたしも編みものしてみたいな」というニャンルーに、おばあちゃんはたんすのおくから、なくなったおじいちゃんのセーターを出してきました。 その青いセーターの毛糸をつかって、ニャンルーに編みものをおしえてくれるというのです。 まずセーターをほどいて、毛糸をお湯につけてから干しました。こんどはそれを巻きとって大きな毛糸玉をつくります。 それから、ニャンルーはおばあちゃんにおそわって、マフラーを編みはじめました。おじいちゃんのセーターだった毛糸をぜんぶつかって、長い長いマフラーにするのです。
色鉛筆で愛情をこめて描かれたニャンルーたちの森の暮らし。手仕事の楽しさや、思い出によってつながる家族のあたたかさを描いた絵本。
どいかやさんの作品ということで、興味を持ちました。
ニャンルーはちいさいふたごのおとうとを持つおねえちゃん。おうちの手伝いをしたり、おばあちゃんの手伝いをしたりと、なんともしっかり者です。
そのニャンルーがおばあちゃんに編み物を教わって……というおはなし。
イラストもおはなしも優しくて、癒されました。編み物好きの大人にもおすすめの作品です。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子14歳)
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