時は平安、源氏と平家の大合戦! 海へ逃れた平家方、陸から迫る源氏方。 追い詰められた平家が編みだす、扇の的の計略とは!?
着物姿で舞台にあがって、話術で人をたのしませる、日本の伝統芸能。 史実を元にした物語で、後世に歴史を伝える、落語とは似て非なる、しゃべりの芸術。 それが「講談」です!
100年ぶりの講談ブームといわれる昨今、絵本でさらに親しみやすくなった、講談絵本シリーズに、あの源平合戦の名場面が登場です!
波立つ海に浮かべた小舟、その上にすえつけられたのは、日の丸柄の扇が一枚。 それを射てみろという平家の挑発に、源氏の総大将、源義経は頭を抱えます。 日の丸を射れば、これは天皇にあだなす逆賊とみなされ、狙いを外してもやはり、弓の腕がないと笑われてしまう……。 「いかがでございましょう。日の丸ではなく、扇の要を射てみては?」 家臣は提案しますが、要といえば、扇の骨をたばねてとめるための小さな部分。 ましてや的は、揺れる船の上、扇に当てるだけでも難しいというのに……。 「しからば与一を呼べよ!」 義経公が呼んだ、この与一という男こそ、この物語の主役! 名は那須与一宗隆、その歳わずか16歳! 幼い頃より弓矢の道にこころざし、今では空飛ぶ小鳥さえも射落とすほどの弓の名手! 「万が一、射落とせぬときは、海のもくずと消える覚悟でござりまする」 果たして与一は的を射抜き、平家の計略を退けることができるのか!?
著者は「黒魔女さんが通る‼︎」シリーズや『世界の果ての魔女学校』で知られる、石崎洋司さん。 イラストは、妖艶、美麗なタッチが特徴的な宇野亜喜良さん。 伝統芸能としての講談の世界と、ある種無骨な趣のある合戦モノ、そこに耽美な世界観を持つ宇野亜喜良さんのイラストが合わさって起こる、化学反応がクセになる! 画面は日本の時代劇ながら、そこに独特の異国情緒があって、他では決して味わうことのできない世界観をたのしむことができます。
そして、「この絵本を通じて、一人でも多くの子どもたちに講談を知ってもらえることを願っています」とは、本書監修で講談ブーム火付け役の天才講談師、6代目神田伯山(神田松之丞)さん。
言葉のとおり本シリーズは、イラストの力でより親しみやすくなっているのはもちろん、聴き慣れない言葉も漢字と振り仮名で読むことができ、わかりやすく講談の魅力をあじわうことができます。
牛若丸としても知られ、容姿端麗なイメージのある源義経を宇野亜喜良さんが描くとどうなるのか!? ぜひ、たしかめてみてください。
(堀井拓馬 小説家)
人気沸騰中、「チケットの取れない講談師」神田伯山さんを監修に迎えた「講談えほん」シリーズ、待望の第2弾!
「講談」とは、古くからの日本の伝統芸能です。講談師が、実在の人物や史実とされている事象を、脚色を交えて聴く人を楽しませつつ、一人語りで読んでいきます。日本の歴史の物語を次世代につなぐために、とても大事で、いま注目されている芸能です。このたび、次世代に伝えたい講談のお話を、絵本にして子どもたちに残すために、「講談えほんシリーズ」をつくりました。 いま、飛ぶ鳥を落とす勢いの講談師・神田伯山さんを監修者に迎え、話題を呼ぶこと請け合いのシリーズ、待望の第2弾が3作品登場です! そのうちの『那須与一 扇の的』は、「源平盛衰記」から屋島の戦いのエピソード。 弓矢の名手・与一は、敵方・平家の沖に浮かぶ船上に掲げた扇を射落とすことができるかーー。 講談の物語の世界を、宇野亞喜良さんの絵が美しく描き出します。
人気講談師・神田伯山さん監修による講談社創業110周年記念企画。
講談の物語の魅力を存分に味わってください!
宮本武蔵、大岡越前、西行…
「講談えほんシリーズ」の作品はどれも楽しく、もっともっと読みたいと思っていました。
第2弾として、また違った作品が出版されていて、とてもうれしかったです。
那須与一の扇の的のお話は有名で、私も知っていましたが、絵本で読むと新鮮です。
アンニュイというイメージの宇野亞喜良さんのイラストにしては控えめかもしれませんが、ロマンチックな那須与一だなと思いました。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子14歳、男の子11歳)
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