しんくんの部屋に、1羽の小鳥が迷い込んで来た。驚きつつも、愛らしい姿にひかれた彼は、部屋を閉め切って外出する。帰宅したしんくんが目にした光景は……。小さな命へのいつくしみを、繊細なタッチで描く。
「うがいライオン」「ぎゅうぎゅうかぞく」の“ねじめ正一”さんの作品なので、ユーモアに富んだ面白い作品なのかと思っていたら、全く違いました。
作者の幼い頃の実話です。
「いのちのはかなさ、いのちの手ざわり、なくなったことりのいのちに、ちゃんと対応してくれた、親のおもいをえがきたっかたのです。」
という作者の言葉が、冒頭に記されています。
読んでみて、幼い作者と死んでしまった小鳥を囲むご両親の対応の素晴らしさに、私自身深く感動しました。
小鳥を死なせてしまったという事実に、ただただ驚き、悲しみ、自分を責める気持ちでいっぱいだった“しんくん”。
そんな“しんくん”にご両親は、冷静にあたたかく声を掛けていきます。
小さな命を思いやるということ、まごころを尽くすということ。
両親の導きで、“しんくん”の胸にしっかりと刻み込まれるのです。
レビューの数の少なさに驚きました。
ぜひ、多くの方に読んでもらいたいです!
小学生にオススメ。 (カトリーヌみどりんさん 30代・ママ 男の子7歳、男の子3歳)
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