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城の少年
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城の少年

  • 絵本
作: 菊地 秀行
絵: Naffy
出版社: マイクロマガジン社

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税込価格: ¥1,760

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作品情報

発行日: 2020年12月08日
ISBN: 9784867161005

出版社のおすすめ年齢:高学年〜
285mm×215mm 48ページ

みどころ

丘のいただきにそびえる、おおきな城。
そこには、少年がひとりきりで暮らしていました。
かつては少年といっしょに、大勢の人々が暮らしていたはずなのですが——

ある秋の夜、城を無人と思った旅一座が、城で夜を明かすことに。
姿を隠したままやり過ごそうと考えていた少年ですが、一座にいた踊り子の少女に、目を奪われます。

翌日、城の一番高い塔で、一座の向かった村をうかがっていた少年は、あの少女が鳴らすカスタネットの音を聞いて、いてもたってもいられなくなってしまいます。
そして少年は、塔から飛び立つのです。
その姿を、人とは違うものに変えながら——

幻想的な世界観で描かれる、人ならざる愛の物語!

著者は、「魔界都市」シリーズや「吸血鬼ハンターD」シリーズで知られる、作家の菊地秀行さん。
妖しくも美しい世界観で知られる菊池秀行さんですが、本作もまたそうした雰囲気の一冊です。
“赤いジュース”を飲み交わし、月光の下で踊る城の人々。
自分が誰で、なぜ城にいるのかもわからない、孤独な少年。
少年と城にまつわるそうした謎の数々が、どこか不気味ながらも幻想的な物語として、本作を演出しています。

また、その顔を一目見ただけで村の娘たちが魅了される、美しい容姿の青年剣士が登場するのですが——著者のファンなら、ニヤリとさせられるところ!

そんな幻想的な世界に絵で命を吹き込むのが、新進気鋭の絵本作家でイラストレーター、Naffyさん。
淡く、霧にけぶるような景色の中で、深い漆黒と、血のように鮮やかな赤とが、印象的に画面を飾ります。
これが、絵と物語の作者が別人だということを、疑わしく感じさせるほど世界観にマッチ!
どのページをひらいても、それ一枚で、背景にある世界の広がりを感じさせる物語性にあふれています。

さて、村祭の場へと天から降り立った少年は、立ちすくむ少女の手を取り、その腰に手をあてがいます。

「そんなダンス、あたし踊れません」
「僕の動きに合わせて踊りたまえ。美しいものは、すぐ身につく。あらゆる生き物は、そういう風にできている」

少女と少年が手を取り合ってワルツを踊り、祭りが万雷の拍手に包まれたとき——少年を指差して叫ぶ声が、少年自身も知らなかった彼の秘密を、あばくのです。

絵と物語の奇跡的な出会いが描きだす、永遠の愛についての物語!

(堀井拓馬  絵本ナビ編集部)

城の少年

城の少年

出版社からの紹介

たった一人で城に暮らしていた少年と放浪者の少女が織りなす、美しくも優しくて残酷な吸血鬼の物語。菊地秀行&Naffyの感動絵本。

ベストレビュー

幻想的な絵本です

どうして大きなお城に少年が一人で暮らしているのだろう。
どうして城の人々は姿を消してしまったのだろう。
この絵本を包みこんだ不思議な空気が、次第に明らかにされていきます。
軽いホラーのようでもあります。
少年と、旅芸人たちの中で彩りを放つ踊り子の娘との恋物語はロマネスクのようでもあります。
老いて風化した踊り子の死体は、残酷のようであり、至上の愛の権化のようでもあります。
大人テイストで味わう絵本です。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )

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