ひるも よるも やすむことなく 9日かん、
とんで とんで とびつづけます・・・
ちきゅうの はんたいがわに たどりつくまで。(本文より)
どの鳥よりも、もっとも長くノンストップ飛行を行う渡り鳥・オオソリハシシギ。
この小さな鳥たちは、毎年、北極圏から南半球まで太平洋1万キロ以上を1度も休むことなく飛び続けます。 日本にも渡来するこの小さな鳥たちは、何千年にもわたって、目には見えない空の旅を繰り返してきました。
しかしながら今日、渡り鳥にとって重要な干潟の急速な開発の影響などにより、絶滅の恐れも指摘されています。 オーストラリア、アジア、アラスカを巡る、渡り鳥“オオソリハシシギ"の奇跡の旅を、多数受賞歴を持つジーニー・ベイカーの美しく繊細なコラージュで辿ります。
初めて見たジーン・ベイカー画伯の絵本。
なんだ?これは・・・息をのみ、声出せず、見入る私。
「めぐり めぐる」原題「Circle」、生態系を深く慮る。
それはドラマティックイメージ&ストーリー!
シギ科「オオソリハシシギ」の渡り(越冬地オーストラリア>>経由地中国>>繁殖地アラスカ>>またまた戻り越冬地オーストラリア)が、一人の車イス男の子の思い「空を飛べたらなぁ」をもとに描かれてゆく。
ジーン・ベイカーの画法コラージュ(自然物例えば羽毛、砂粒、樹皮やら布帛など)が、気が遠くなるほど精緻芸術されている。お陰でページを繰る手が止まるのだ、困るほどに。
そして、地球の環境保全という課題を強く感じる。人間の意識、いや本能の行先がどこなのか?という画伯の問いかけだ。自然への畏敬と、本能への威厳、生命への尊厳・・・困難なテーマが祈り込まれているように思えるとさらに手が止まる、アァ困った。
足に負傷を負った男の子の思いは、オオソリハシシギと同じ、いただいた生命を自然と共に活かし切ることだろうか?
小さな地球儀を、もう一度よく見てみようと思う。
ポリフォニープレス社に、感謝。 (もゆらさん 60代・その他の方 )
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