ジャングルの奥に、楽しそうに暮らすぞうの群れがありました。ぞうたちはみな同じぞう色ですが、その中でエルマーだけがつぎはぎ、まだらのぞう。体は、きいろ、だいだいいろ、あか、ももいろ、むらさき、あお、みどり、くろ、そして、しろ……と、ぞう色ではありません。みんなを笑わせる主役はいつもエルマー。でもエルマーにとって、自分だけ違っていることは悩みのたねでした。 そこである日、エルマーは「ほかの ぞうと おなじいろに なりたいな」と考えて、こっそり群れを抜け出します。
体中、あふれるばかりの色でいっぱいのエルマーはジャングルの人気者。自分だけまわりと違うことに悩み、なんとか同じになろうと試みます。違っていることが個性であり魅力であることに気づかず、まわりに同化しようとするエルマーの姿はちょっぴり悲哀的。けれども、本来の明るい性格が仲間たちとの融合を招き、みんなで一緒に「違い」をお祝いする「エルマー記念日」がお話の最後を飾ります。お互いがお互いを認め合い、楽しく晴れやかな気分でお祭りのパレードするぞうたちの姿には、個性の尊重が象徴されているとも言えるでしょう。 カラフルなエルマーは、小さな子供たちの人気者になること間違いなし。いろいろな模様の、いろいろな色のぞうが登場する「エルマー記念日」。これを祝うぞうたちの表情がすてきです。 ――(ブラウンあすか)
きいろに オレンジ、あかに ピンク、あおくて みどりで むらさきいろで、くろくて しろい、ぞうのエルマー。でも、みんなと同じぞう色になりたくて……。世界20か国以上で愛されている人気キャラクターの物語が、10冊シリーズとして装いもあらたに復刊です!
みんなと違う…って
ネガティブに感じている自分の体の特徴は
周囲の人にとっては 案外どうでも良いことだったり
それほど気にされていなかったり…
時には うらやましいと思われていることもあります。
そんな事を気付かせてくれる絵本だと思いました。
カラフルなエルマーに 目も心も奪われてしまいがちですが
他のぞうも 子供たちにはジックリ見て欲しいと思います。
一見 みんな同じぞうに見えますが
一頭だって同じものは居ないんですよ。
<みんな違って みんな良い>という
金子みすずさんの詩の一説を思い出す絵本でした。 (西の魔女さん 30代・ママ 女の子13歳、男の子9歳)
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