「いばら姫」「腕きき四人兄弟」など、32編を収録。グリムの昔話は、親から子へ伝えたい、まさに"家庭の財産"です。
グリム童話の文庫本の第3集を読み始めて、グリム童話の素材と深みを感じました。
3巻で収録された童話は100になりました。
これだけの数だからでしょうか、グリム童話に出てくるキャラクターは意外と少ないことを感じます。
兄弟、魔女、動物、王子様…。
それでもグリム童話は不思議な魅力を持っています。
話の展開にバリエーションがあり、決して想像通りには話が終わらないことや、ときには話が想像以上に展開してしまって、まとまりのなさを見せることがあること。
「そうくるか」、「ここまでのお話は何だったんだろう」といくつかの読者の想像力を裏切りながら、読む人間を楽しませてくれます。
この3巻の最後に、長編の「ふたり兄弟」は、まとめとしてグリム童話を象徴しているように思いました。
ふたごの兄弟の話のはずだったのですが、兄弟が再開するのは、様々なドラマが終了してから。
そうかと思うと、なんだかあっけない短編があった物足りなさを感じたり。
読者の想像を裏切りながら、楽しさ満載の3巻目でした。
収録:いばら姫。幸運なハンス。青いランプ。シュワーベンの七人男。なにもこわがらない王子。りこうなグレーテル。キャベツ・ロバ。悪魔と悪魔のおばあさん。腕きき四人兄弟。鉄のハンス。踊ってぼろぼろになった靴。三人兄弟。ロバくん。白雪と紅バラ。一つ目、二つ目、三つ目。怪鳥グライフ。森の家。泉のそばのガチョウ番の女。池の中の水の精。金の鳥。大男と仕立屋。ヒツジ飼いの男の子。ウサギとハリネズミ。アメフラシ。星の銀貨。ジメリの山。たいこたたき。どろぼうの名人。マレーン姫。金の鍵。天国に行ったお百姓。ふたり兄弟。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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