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ながみちくんがわからない

ながみちくんがわからない

  • 絵本
作: 数井 美治
絵: 奥野 哉子
出版社: BL出版 BL出版の特集ページがあります!

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作品情報

発行日: 2021年12月16日
ISBN: 9784776410355

出版社のおすすめ年齢:中学年〜
246mm×186mm 32ページ


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みどころ

この気持ちはなんだろう。

わり算はわりきれる方が好きという小学生の「わたし」にとって、同じクラスのながみちくんはわりきれない男の子。ふまじめかと思えば、給食の時間、ともだちの苦手なおかずを食べてあげたり、教室の花びんにそっと花をかざったりしている。何を考えているのか、さっぱりわからない。わからないって、気持ちわるい。だから「わたし」は、ながみちくんを研究している。

「わたし」は放課後、ながみちくんのほうれん草みたいな色のランドセルを追いかける。ながみちくんはかさ立ての下に置いていた石をけりながら歩きはじめた。石をけっとばして、コロコロコロ‥‥‥と転がった先まで追いかける。そこからまた、石をけっとばして、コロコロコロ‥‥‥。
なんのためにやっているのか、さっぱりわからない。

「そんなところで何してんの?」
電柱のうしろにかくれていた「わたし」。見つかってしまった。
こうなったら、ひらきなおるしかない。
「しかたないでしょ。ながみちくんが、ちゃんとまっすぐ歩かないからだよ!」
「あ、もしかして」「おれをおいこしちゃいけないってルールなのか?」
「うん。そういうルール」
とっさにそういうルールがあることにしようと思った「わたし」に、ながみちくんは目をかがやかせていう。
「そっか。おれの今のルールはこれ」

あれ、すれ違っているようで、なんだか通じ合っている?

ながみちくんはその後も石をけってはなくし、何度も探す。
「わたし」はなんとなくついていって、そのうち石さがしを手伝ってあげることにする。
そんな時間を過ごしながら、ついに「わたし」は言ってしまう。
「‥‥‥そんなことして、何か意味があるの?」

いくら考えてもわからないながみちくんと「わたし」が過ごす、ちょっとだけ心が触れ合ったようなある日の帰り道。ほんのささいな出来事だけれど、見上げた空の美しさとともに、きっとこの時間が「わたし」の心にはずっと残り続けるのでしょう。もしかしたらながみちくんにも?

「わからない」からはじまる、そわそわするような嬉しいような、ちょっと浮き立つような気持ち。

第37回日産童話と絵本のグランプリ童話大賞を受賞されたという本書には、名づけることができないような、小学生の「わたし」の繊細でみずみずしい気持ちがぎゅっと詰まっています。画家の奥野哉子さんが描く、のびやかで余白のたっぷりある挿絵は「わたし」が感じているさまざまな感情を気持ちよく想像するのを助けてくれるよう。ながみちくんを見つめる「わたし」のまなざしがまぶしく伝わってきます。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

出版社からの紹介

割り算はわりきれるほうがすき。でも、クラスにはわりきれない男の子がいる。ながみちくんだ。何を考えているかわからない、わからないから気になって、学校帰りに、あとをついていったけれど……。
小学生の女の子の心情をみずみずしく描く。のびやかな筆使いを活かした絵も魅力的。
第37回日産童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞作品。

ベストレビュー

「ながみちくん」から気づかされること

こちらは、絵本ではありますが
ちょっと内容的に少学校中学年?位の対象なのかな?
第37回日産童話と絵本のグランプリの童話部門での大賞受賞作品だそうで
童話?なのかな???
カバーに宮川健郎氏の解説?紹介?文があります

主人公の「わたし」が、割り切れない割り算のようで
なんか、気持ちが悪い
ながみちくんの行動について研究をするのですが
直接
「何か意味があるの?」と聞くと
ながみちくんは堂々と

「意味?そんなのないよ。なかったらだめなの?」

と答える場面に
「ほ〜〜〜〜っ」と、声を出してしまいました

自分の考えの範囲にない
今まで考えたこともない
別世界を見せられたような

「わたし」は、ながみちくんが「わからない」
ではなく
ながみちくんのことが「知りたい!」んだね

そんな、「自分」の心?気持ち?にも気づかせてくれる
というか・・・
「自分」のこともわかってなかった?かも・・・

でも、ながみちくんは、Myルール的なのが自然で、普通で
そんなこと全然考えてもいないかもね(笑
(しいら☆さん 60代・その他の方 )

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