1945年沖縄――。戦争によって穏やかな日常が奪われ、美しい沖縄の景色が奪われ、家族や大切な人の命まで奪われてしまった少女ももちゃん。それでも、笑顔をわすれずにおばあちゃんになるまで生きてこられたのは、大好きな「音楽」があったから。音楽を生きる力に変えて、沖縄戦を生き抜き、戦後をかけぬけた元ひめゆり学徒の与那覇百子さんのその幼少期から現在までを描いたノンフィクションです。
<もくじ> 第1楽章 紙のピアノ 第2楽章 グランドピアノ 第3章 みかん箱のピアノ 第4章 月明かりのピアノ 終曲 心をつなぐピアノ あとがき
<著者紹介> 文/柴田昌平(しばた・しょうへい) ドキュメンタリー映像作家・映画監督。1963年生まれ。東京大学卒業。 NHK、民族文化映像研究所を経て独立。プロダクション・エイシア代表。テレビではNHKスペシャル他ドキュメンタリー番組を多数、ドキュメンタリー映画では『ひめゆり』『千年の一滴 だし しょうゆ』など国内外の受賞作品を多数監督している。東京都在住。 絵/阿部結(あべ・ゆい) 1986年宮城県気仙沼市生まれ。イラストレーター、絵本作家。著書に、絵本『ねたふりゆうちゃん』(白泉社)、『おやつどろぼう』(こどものとも・福音館)、『おおきなかぜのよる』(ポプラ社)『あいたいな』(ひだまり舎)、共著『世界不思議地図』(朝日新聞出版)、『鬼ばばの島』(小学館)などがある。東京都在住。
ひめゆり学徒のお話で、こんなお話があったのですね。
悲惨な話が多い中で、ももちゃんはいくらかでも運が良かったのかも知れません。
いい人たちと出会い、逃げまどうことなく捕虜となったので、多少は苦痛も少なかったかも知れません。
でも、忘れていかないのは、まちがいなくももちゃんも戦争体験者であるということです。
この絵本が出されたのは、ロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年の5月です。
絵を描いた阿部結さんは、後書きでロシアのウクライナ侵攻に触れています。
今、ウクライナでは、戦場になっている場所と、そうでない場所があります。
だからといって、不安を持たない人はいないでしょう。
なんとか終わりにできないものでしょうか。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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