明日から夏休み。学校からの帰り道、重いランドセルを背負って、大きな朝顔の鉢植えをもったなぎちゃんは、汗びっしょり。
「あっつーい!」
へとへとになったなぎちゃんは、掲示板の横で座りこみ、思わずつぶやきます。
「あさがおさん、およいでいえにかえりたい……」
すると、朝顔がひゅーっとのびて、きらきらと光る水のシャワーを出し、掲示板の中が水でいっぱいに。泳ぎが得意ななぎちゃんは、ばっしゃーん、ぶくぶくぶく、中に飛び込みます! 泡のすきまから、遠くに人かげが見えたので、泳いでいってみると……?
いつもの景色が水でいっぱいに。流れるプールにすべりだい。ばしゃばしゃ、すいすい、ひんやり、ゆらゆら。泳いで進む帰り道、なんて気持ちよさそうなのでしょう!! なぎちゃん、うらやましい。あ、朝顔も忘れないで持って帰ってね。
幼い頃から泳ぐことが大好きだったという作者による初めての絵本。真っ青な空、じりじり熱いアスファルトの道、ランドセル。夏休み前の懐かしい感覚をを思い出しながら、絵本の中で味わえるのは夢のような水の中の世界。想像したことあるような、ないような。でも、一度読んだら夏が来るたびに開きたくなる、思いっきり爽やかな1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
学校から、あさがおの鉢植えを持ち帰る日。なぎちゃんは、帰り道を一生懸命歩いていましたが、暑くて重くて、掲示板の横で休憩することにしました。座り込んだなぎちゃんは思わず、「あさがおさん、およいでいえにかえりたい……」とつぶやきました。すると、なんということでしょう! あさがおが、ひゅーっと上に伸びて、きらきらと光る水のシャワーを出し、掲示板の中は水でいっぱいになりました。泳ぎが得意ななぎちゃんは、嬉しくなって、掲示板水槽の中に飛び込んでみることにしました。ばっしゃーん。ぶくぶくぶく。水の中はなんて気持ちがいいのでしょう。なぎちゃんは、しばらく泳いで進んでみることにしました。そして、水の中から顔を出すと、いつもの高速道路が、流れるプールとすべりだいになっていて……。 暑くて辛い帰り道が、こんなに楽しい帰り道に? 清涼感溢れる描写と、生き生きとした少女が眩しい暑い夏に読みたい一冊。
親の私の時代も現役小学生の娘の時代も、小学校1年生の夏休みは朝顔の観察があり、学校で種から植えて育てた朝顔の鉢植えをひとりひとつ自分のを持って帰るんですよね。
我が家の娘は、夏休み前の懇談会の帰りに親が持ち帰るという何とも子供にとっては楽なものでした。
昭和の小学生だった私は、子供本人で歩いて持って帰りましたよーそれは重かった事。
今でも走馬灯のように蘇るその風景。
そういう意味では苦労して持って帰ったことはある意味よい思い出になった気がします! (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子12歳)
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