主人公は、小学生の女の子ネネット。 フルーツヨーグルトにハムを入れて食べたり、蜘蛛のいない蜘蛛の巣をずっと見つめていたり、体をゆらゆらと揺らし続けたりすることがあります。 どしゃぶりの雨の日に、傘もささず、長靴を脱いで、校庭の真ん中で雨空に向かって両手を広げて立っていることもあります。少し、変わった動作をする子どもです。 だから、学校では他の子どもたちからかわれ、いつもひとりぼっちでした。 そんなネネットと同級生の男の子ノウとの間に、ある日友情が芽生えていきます。 ネネットが折る色とりどりのオリガミを見たノウが、それを美しいと感じたことがきっかけでした。 自閉症を知らない子どもたちの世界。その世界の中での嘲笑や優しさを通して、心の中に翼を持つことの意味や、本当に大切なことは何かをそっと伝えてくれる絵本です。
発達障害の人たちと、施設や活動の中で接していると、独特の個性にどこか共通点があることを感じることがあります。この絵本はそんな世界を描いた絵本です。
ネネットは軽度の自閉症として描かれています。
健常の子どもたちと、同じ学校に通っていたら、どこか変わった子と映るのでしょう。
水や回るものへのこだわり、何かに夢中になると他のことに気が回らなくなること、ちょっとした特性が発達障害からきているとは思えないかも知れません。
共に生活していくためには、理解することの大切さを改めて痛感しました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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