自然と親しむ作品が多いかんちくたかこさんと、生き物の観察が好きでリアルな描写が魅力の箕輪義隆さんのコラボ、「鳥のおはなし絵本」シリーズの新刊です。身近な鳥たちの生態を臨場感たっぷりと描いたこのシリーズ、今回は、親鳥が子どもたちを連れて歩く姿が有名なカルガモのメス「クッカ」が主人公です。
物語は、クッカが生まれてからの1年間の物語。クッカの語りで進む文章を通して、彼女の気持ちや状況がリアルに体感できます。
おはなしの始まりは春。クッカは固い卵を内側からつついて、なんとか外に出ようとします。「やっとわれた!」と見上げると、大きなくちばし。そう、お母さんです。それから、クッカはお母さんと兄弟とすぐに川に行って、泳ぎ始め、エサの食べ方などを教わり、成長していきます。
ところがクッカは、早々にお母さんと兄弟たちとはぐれてしまいます。他の鳥たちに戸惑いながら、みんなを探すクッカが出会ったのは……?
四季折々の美しい水辺の様子を感じながら、やがて独り立ちし、お母さんになるクッカの姿を通して、「生きる」ことの本質を感じられます。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
がんばりやなカルガモの女の子、クッカちゃん。ある日、引越しの最中にお母さんとはぐれてしまい、べつの家族とくらすことに…ドキドキの成長物語。じつは夜行性だったり、他の子も育てたりすることなど、発見がいっぱい!
近くの公園の池に、毎年冬近く渡ってくる何種類ものカモがいます。
春になると一斉に北へ帰っていくのですが、夏になっても残っているカモがいます。
どうして帰らないのだろうと考えていたわたしですが、この絵本が教えてくれました。
見た目に似ているカモですが、違っていたんですね。
おまけに生態まで詳しく知ることができて、嬉しい一冊でした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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