「いきものたちはどこへいくのか、バッグがからっぽだとわかったとき、いきるおどろきとよろこびのはながひらいた」 ――谷川俊太郎(詩人) 「いろんな報道で「数」としてしか扱われなかった移民・難民の人々が色あざやかな動物に姿を借りて、圧倒的な絶望(黒)のなか、 ささやかな希望を追って歩きだした。こんなにファンタスティックな世界に、こんなに切ないリアリティが感じさせる絵と絵と絵。 ワニやゾウやフラミンゴやウサギの間に身を置くと、世界が裏返ってみえるかもしれない。」 ――金原瑞人(翻訳家) 「ページの奥から、まっすぐ語りかけてくる声が聞こえる。言葉がないのに。言葉がないからこそ。」 ――岸本佐知子(翻訳家)
仏ソルシエール賞 2021年フィクション部門受賞 カタルーニャ本屋大賞 2021年絵本部門受賞 国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ 2020」選定 全米児童図書評議会「OUTSTANDING INTERNATIONAL BOOKS LIST 2021」選定
木の葉がなくなってしまった黒い夜の森を捨て、旅に出る動物たち。さまざまな脅威に直面しながら国境を越える彼らの旅には、常に死の影がつきまとう――。 世界的な問題となっている「移民」「難民」の現実を、擬人化した動物たちの姿に寄せてイラストのみで描き出したサイレント絵本。
言葉のない絵本です、
受けとり方は個人個人にゆだねられているのでしょうが、とても重く、意味深く受けとりました。
動物たちとして描かれた移民の集団が、ひたすらに歩いていきます。
死神とも思える鳥と死んだものとしての骸骨がついてきます。
途中で死んでしまううさぎもいます。
ようやくたどり着いた場所は、生きることのできる世界でしょうか。
苦難をのりこえてきたことを表しているようですが、明るく照り輝いていないことが、心配な作品です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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