「木になろう!すっくと立って、お日さまにむかい、えだをつきだせ」 見開き画面いっぱいに描かれた大きな木。大地に根をはり、空に向かって力強く立つその姿は、私たちに雄弁に語りかけます。
みなさんは木が会話をするのをご存知でしょうか?
実は、木々たちが根っこの菌根菌をとおして会話をすること(ウッド・ワイド・ウェブ)が近年、知られてきました。木々たちは土の下に隠された通信網をもっていて、互いにコミュニケーションをとっているというのです。本書は、そんな自然が生み出した驚くべきしくみを、美しいイラストと短い言葉で、分かりやすく伝えてくれます。
イラストを描くのは、『せかいでさいしょのポテトチップス』や『ライラックどおりのおひるごはん』(共にBL出版)など、日本でも注目を集める絵本作家フェリシタ・サラ。穏やかな色合いのおしゃれなイラストは、子どもだけでなく大人の目も楽しませてくれます。左右にさらに広げた観音開きのページは、人々が木のそばで憩うシーンをワイドに映し出し、とても見応えがあります。
森の木々たちは、身を守るために大切な情報を知らせ合い、栄養を分け合い、若い木や弱った木を守ります。これは人間社会に例えることもできそう。まるで家族や地域のように、互いに助け合って、一緒にいることでより強くなるのです。
「樹木を守るためにできること」さらには「森がしているように、社会を守るためにできること」を考えるきっかけにもなる作品です。子どもも大人も一緒に読んで、語り合ってはいかがでしょうか? 「みんなでいっしょに木になろう!」
(出合聡美 絵本ナビライター)
木が、会話をするのを知っていますか? 木ぎたちが、根っこの菌根菌をとおして会話をすること(www=ウッド・ワイド・ウェブ)が近年知られてきました。それを子どもたちにもわかりやすく紹介します。木は身を守るために大切な情報を知らせあい、栄養をわけあい、わかい木や弱った木を守ります。それは自然が生み出した、おどろくべき仕組み。支えあい、いっしょにいることで、より強くなれるのです。木ぎたちのいとなみは、わたしたち人間がよりよく生きていく方法を、やさしく教えてくれます。 巻末には木の仕組みについての解説も!
『BE A TREE!』が原題。
フェリシタ・サラさんの絵ということで手に取りましたが、
なかなか奥深い内容です。
都市の生態系や自然、動物に関する作品のあるアメリカの作家さんの文章。
木についての解説ですが、題名の通り、人間の体に置き換えて体感する構成が新鮮です。
「木が会話する」という視点が新鮮です。
そして、木になるという事を体感することで、
木が行っている相互扶助の大切さをも体感する構成です。
森は かぞく、なかま、くに、うちゅう。
小学校高学年くらいから、木からの示唆をたっぷり学べそうです。 (レイラさん 50代・ママ 男の子29歳、男の子27歳)
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