
昔話は時代を超えて、多くの子どもたちの心をひきつけてきました。子どもがはじめて出会う本のひとつとして、昔話を正しく語りつぎたいという思いから、本シリーズが生まれました。
<29巻あらすじ> おばあさんが病気になり、やまなしが食べたいというので、太郎、次郎、三郎の兄弟が順番に山に拾いにいきました。山に行くと、ひとりのばあさんがおり、やまなしを取るための忠告をしてくれましたが、太郎、次郎、三郎ともその忠告に従わずに進んでいきます。 そして、化物に会い、すもうをとらされますが。太郎、次郎の兄たちは負けて化物にのみこまれます。しかし、三郎は化物を打ち負かします。そして兄たちを助け出し、やまなしを持って家に帰ります。忠告を聞いたから成功するのではなく、元気のよさで成功を勝ちとってくるお話です。

様々なタイトルで知っているはずの「やまなしとり」でしたが、とんでもない展開にビックリしました。
昔ばなしで3人兄弟といえば、だいたい上の二人がダメ男で、末っ子は正直者で救われる定型があるとは思います。
「やまなしとり」でも、末っ子だけはアドバイスに従ってやまなしを手に入れ、兄たちを助けるというお話だと思っていました。
ところが、末っ子も兄たちと同じ行動をとるのです。
ただ、末の弟は兄たちと違う強さを持っていたというところがポイントでしょうか。
このような、知っているつもりを裏切るようなお話に出会うと、その意外性が楽しくてたまりません。
小さいサイズの絵本でしたが、とても大きい絵本です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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