「ぎゅう ぎゅう……」 「かららら かららら……」 「きゃっ きゃっ きゃっ きゃっ」
夜の水辺では、かえるたちの大合唱。のどをふくらませて鳴いているのはあまがえるです。あまがえるは、水の中でたまごを産みます。ぷかぷかと漂っていたたまごは水草にくっつき、やがてたくさんの小さなおたまじゃくしがかえります。
水の中でなんでもかんでも食べるおたまじゃくし。愛らしい姿で、あちらこちらを元気に泳ぎまわります。ところが突然、おたまじゃくしは何かに襲われます。みずかまきりです。水の中には、おたまじゃくしを食べる生きものがたくさんいるのです。たくさんの仲間がいなくなりました。けれど、生き残ったおたまじゃくしは、どんどん大きくなり、少しずつその姿を変えていきます。やがて……。
小学館児童出版文化賞受賞作家・舘野鴻さんと、生物画家・かわしまはるこさんが手がける『あまがえるのかくれんぼ』『あまがえるのぼうけん』に続く、「3びきのあまがえる」シリーズ三部作の最後の作品は、ラッタ、チモ、アルノーたちの誕生と出会いまでの物語。約10年あまがえるを飼育し、水槽での観察を続けられてきたというかわしまさんの描く「水の中」でのドラマは、臨場感たっぷり。厳しい環境の中で、しっかりと生き抜くおたまじゃくしの姿は普段なかなか見られないもの。そして、彼らが初めて目にする外の世界の瑞々しさといったら。「アマガエルの大気の世界への旅立ちは、私たちがお母さんから産まれてくるその時と重なる」のだと、館野さんは語ります。
自然をしっかりと観察すれば、その中で悩み、遊び、学び、力いっぱい今を生きる生きものたちの姿が見えてくる。そんな貴重な体験ができる科学ファンタジー絵本シリーズ。命の輝きに満ちた、ラッタ、チモ、アルノーたちの物語を堪能してくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
『あまがえるのかくれんぼ』『あまがえるのぼうけん』に続く 人気シリーズ最終章。“命の輝き”を美しく描く。
●『あまがえるのかくれんぼ』『あまがえるのぼうけん』に続く、シリーズ第三弾・最終章。 ●繁殖からおたまじゃくし、あまがえるになるまでの3匹の成長と出会いの物語を、透明感溢れる水彩でみずみずしく描いた科学ファンタジー。 ●小さな生き物の命の尊さや生き様を通して、子どもたちに、未来への希望と生きる力をお届けします。
夜の水辺では、かえるたちが大合唱。 「きゃっ きゃっ きゃっ きゃっ」と鳴くのは、あまがえるです。 しばらくすると、たまごから小さなおたまじゃくしがかえり……。
小学館児童出版文化賞受賞作家 舘野鴻と、生物画家 かわしまはるこが描く、 「3びきのあまがえる」シリーズ第三弾。3匹の誕生から出会いの物語。 あまがえるも私たち人間も同じ―命の輝きに満ちた美しい作品です。
『あまがえるのかくれんぼ』、『あまがえるのぼうけん』に続く完結編。
とはいっても、今作は、ラッタ、チモ、アルノーが仲良くなるまでのおはなし。
卵から孵ったアマガエルたち。
当然、すぐに生存競争の中で生き抜くこととなります。
リアルな絵だけに生々しいですが、これが生きる世界。
しっかりと見届けたいものです。
生き抜いたからこそ、成長の喜びもひとしお。
だからこその、かくれんぼとぼうけん、だと納得してしまいました。 (レイラさん 50代・ママ 男の子29歳、男の子27歳)
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