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友だちなんかいらない、と思っていた。あなたに出会うまでは…。沖縄を舞台に少女たちの出会いと絆を描く不思議さと温かさいっぱいの物語。
本屋さんで今年の課題図書を何気なく眺めてたら・・・
「はぁ?“となりのウチナーンチュ”?」
(ウチナーンチュは、あり得ないものを見付けたときには
「はぁ?」からはっするのだ!)
“ウチナーンチュ”とタイトルにつくのだから、ウチナーンチュが
書き下ろした物だろうか?と著者の名前を見ると
「ナイチャーが描いたのか・・・」な〜んだ、いまいちかも??
なんて思いながらも気になったので、数頁を読んでみたら
沖縄の台風やヒヌカン(火の神様)etc・・・
ウチナーンチュの私にとって馴染み深いものがずらりと登場してきて
ぐいぐい引き寄せられるように読んでたら、
いつのまにかはまってしまって、購入することにしました。
家に帰ると夏休み中なのに、家事をよそに
本に夢中になってる自分がいました。
父・勇と2人暮らしのウチナーンチュ(沖縄人)である新垣彩華と
(いかにも“沖縄”って言う名字の新垣で笑っちゃいましたが)
東京から父親と一緒に引越してきた鈴木夏海の交流を描いた
小説です。主人公の2人が高校生くらいの年齢なので、
中高生には2人の心の葛藤も伝わりやすい。
また、章が変わるごとに目線が変わるのがまた面白く、
2人の内面が交互に描かれていて、
同じ出来事を2人が違ったように感じていたり、
お互いのことを気遣いあったりしているのを読むと
まるで心を覗き見ているようで嬉しくもあり、もどかしくもあり。
まるっきり反対の性格の2人がだんだんと寄り添う様子が
手に取るように感じることができます。
また、この本の楽しみ方は、それだけではありません!!
“海がキレイだよね〜”だけじゃない、沖縄の生活の不思議や
ウチナーンチュのことがよくわかり、きっと、
沖縄に行ってみた〜い!って感じるでしょう〜
(私はいつでも沖縄にいますが・・・笑)
ウチナーンチュの私には「はいはい、パイプライン通りの近くね!」
「あー、あるある」的な部分が満載で
さすが!沖縄在住の自称奇談小説家が書き下ろしただけあって
沖縄をよく知ってる〜。と、嬉しくなります。
沖縄の生活に触れながら、多感な時期真っ直中の2人の少女の
成長と絆をユーモア溢れるお話しの中で感じてみるのも良いですね。 (かおりせんせいさん 30代・ママ 女の子9歳、男の子6歳)
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