ある夜、なほちゃんが「おやすみなさい」をしてお部屋に行こうとすると、パパのママの楽しそうな話が聞こえてきました。 どうやら新しいおうちをつくるみたい! 「どんなおうちになるのかな?わたしのお部屋もあるのかな?」 わくわくして眠れないなほちゃん、窓の外にツバメの巣を見つけてふと思うのです。 「ツバメはどんなおうちにすんでいるのかな?」
つんつん。 ほっぺをつついたのは、ツバメ! 「ついてきて!」 なほちゃんが追いかけていくと、屋根の下にツバメのおうちがありました。雨をしのげて、ほかの動物から身を守れる場所。おうちの中には藁が敷かれていて、ふかふかであったかそう。 「こんなおうちにすんでみたいなあ」 思わずつぶやくなほちゃんを、ツバメが誘います。 「もっとおもしろいおうちを見せてあげる」
原っぱ、川、森の中、雪山……ツバメに案内してもらい、さまざまな生きもののおうちを巡るなほちゃん。 たくさんのお部屋を持つアリのおうち。敵から身を守る秘密基地のようなビーバーのおうち。大きな木を使いたくさんの仲間で共同生活を送るシャカイハタオリのおうちは……わぁっ!圧巻です。
緻密ながらやわらかく優しいタッチで描かれた生きもののおうちには、人間に共通する暮らしの工夫がいっぱいで、子どもたちは驚きや好奇心とともに、共感や親しみも感じることでしょう。 自分のおうちと生きもののおうちの似ているところ、違うところをさがしたり、なほちゃんのように自分の住みたいおうちのヒントにしたりするのもおもしろそう!
おはなしと自然界を行ったり来たりする楽しさもあふれる一冊、生きものの世界に初めて触れる小さなお子さんにもおすすめです。
(竹原雅子 絵本ナビライター)
パパとママから「新しい家を建てる」ことを聞いた女の子が、いろいろな動物たちのおうちを見せてもらいながら、暮らしの工夫や、驚きの構造をまなぶかわいいお話! 地面の中にたくさんの部屋があるアリ、季節で住みかえをするリス、氷の中に暖かな家を作るホッキョクグマ、木に巨大建築のような巣をつくるシャカイハタオリなどたくさんのおうちが登場! そこには驚きの知恵や工夫がいっぱい! 他にもツバメ、ビーバー、カヤネズミ、オランウータンなど、身近な動物から、めずらしい動物までたくさんのおうちを緻密な絵で紹介します。 2023年7月刊
初見の作者でしたが、今泉忠明さんの監修という事で手に取りました。
両親が新しいお家を作ると話し合っているのを聞いたなほちゃんが、
自分でもいろいろ妄想するストーリー。
注目は、ツバメをナビゲーターに、いろいろな生き物のおうちを参考にさせてもらうところです。
なるほど、今泉忠明さんの監修というクオリティですね。
毛布をマントに?
これなら、移動に便利。
自分事としておうちを見るので、リアルな視点でぐんぐん読み進めてしまいます。
もちろん、かなり本格的。
鳥たちのおうちにいたっては、観音開きの大画面で圧巻の光景。
なほちゃんがちゃんとインプットしたことを、きちんとスケッチブックで絵にまとめているのが
拍手モノ。
自分事として考える楽しさが伝わってきます。 (レイラさん 50代・ママ 男の子30歳、男の子27歳)
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