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小さな谷川の底を写した淡い幻燈のなか、耳をすますと、小さな二匹のかにの兄弟の、無邪気で可愛らしい会話がきこえてきます。
真っ赤な赤いかにの表紙に惹かれました。
宮沢賢治の作品だと最初は気づかずに手に取りましたが、
「クラムボンは・・」の有名な一説に、ああ、このお話だと思いました。
2匹のかにの兄弟が、ほのぼのと会話を交わす水中の雰囲気に、
遠山さんのシンプルだけど味のある絵がとてもよく合ってました。
やまなしが落ちてくる場面も素敵で、最初は紺色、
次は梨の色と変化するのが水中らしくて、よかったです。
宮沢賢治の世界にどっぷり浸れる一冊でした。
クラムボンの正体は何だったのだろうと、いまさらながらに思いをはせました。 (きゃべつさん 30代・ママ 男の子9歳、男の子6歳)
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