『ひとめあがり』とは「ひと目上がり」。目が上がっていくいう おめでたい噺なので新年に演じられるそうです。(川端誠さんのあとがきより。) そういう事を聞くだけでも、落語の面白さと奥深さを感じてしまいますね。 という訳で、舞台はお正月。新年のあいさつに出かける八つぁんですが・・・。 ぽんぽん交わされる会話の面白いこと!声に出して読んでいると、 何だか江戸っ子になった気分になれたりするのも気持ちいい。 トンチンカンな事を言ったかと思うと、たまに納得するようなユニークな事も言う。 八つぁんのこの人柄も噺の魅力の一つです。
それでもやっぱり、絵本ならではの見所が盛り沢山! 何と言っても次々と登場する「掛け軸」はそれぞれ一見の価値あり、なのです。 江戸のお正月の雰囲気を味わえますし、あっと驚くゲストも登場します。 読んで笑って眺めて・・・存分に味わってくださいませ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
正月で、仕事は休み。八五郎は、髪を結い、新しい半纏(はんてん)で、年始まわりに出かけます。 ご隠居の家のにぎやかなお正月飾りが珍しく、話を聞くうちに、掛け軸をほめると、どうやら自分の株もあがるらしい…。張り切って町内を巡って、掛け軸を見せてもらいほめてるつもりが、トンチンカンなことに!?
★ひとこと秘話 八五郎が訪ねる先々で、いろんなお正月飾りが描かれています。 ご隠居、大家、和尚、棟梁(とうりょう)、師匠…。 それぞれの職業や家風にあわせて、正月飾りや道具を描くのが川端さんのあそびどころ。
掛け軸を褒める時の言葉を教えてもらった八五郎さんですが、「いい讃ですね」というのも「いい三ですね」と勘違い。
行く先々で違う褒め方を教えてもらうのですが、その度数字にかけた間違いをします。
その数字が1つずつ上がっていくので「ひとめがり」
よくできたお話ですが、 7歳の娘には詩や語や句が何か説明をしたりそれをどのように勘違いしたかを説明しなければ理解ができませんでした。
また理解できる歳の子でも、字をみなければその勘違いが理解できないので大勢への読み聞かせには向いていないかもしれません。
読み聞かせ時間は7分程度でした。 (バーモンターさん 30代・ママ 男の子10歳、女の子7歳)
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