ボクサー志望のマッツ,貧しくも秀才のマルティン,臆病なウーリ,詩人ジョニー,クールなゼバスティアーン.生いたちも性格もまったくちがう少年たちはそれぞれに,悩み,悲しみ,そしてあこがれを抱いています.寄宿学校でくり広げられる,涙と笑いがつまったクリスマスの物語.新訳.
どんなことをひどく悲しむのか。
どんなことをひどく恥ずかしいことだと思うのか。
少年達の、あの年代独特の感性や言動。
もう私の中にはないものだからちょっとうらやましいです。
私はむしろ、少年達のよき理解者である正義さんや禁煙さんに
近い年代(というよりも正義さんや禁煙さんより年上かもしれ
ない)であろうから。
とはいえ、魅力的だったのは、少年達よりも、その正義さんや
禁煙さんであったりしました。
それは私に歳が近いから共感しやすいというのもあるかもしれ
ないのだけれど、でもやっぱり陳腐な言い方をすれば正義さん
や禁煙さんが「少年の心を忘れていない」からなのだと思います。
禁煙さんの言葉にぐっときます。
「きみたちの正義さんとわたしは、たくさんのことを学んだ。
この学校の机で、そして外の人生で。けれど、わたしたちは
なにひとつ忘れてはいない。わたしたちは、少年時代を記憶
の中にいきいきととどめている。そして、それこそがいちば
んたいせつなのだ。
いちばんたいせつなことを忘れないでほしい。過ぎ去ってほ
しくないいまこのとき、きみたちにお願いする。子どものこ
ろのことを忘れないでほしい。
わたしたちは年をとった。でも、若さは失っていない」
娘がもう少し大きくなったら(小学生かな)ぜひとも読んでも
らいたいなあって思います。 (ぽこさんママさん 40代・ママ 女の子3歳)
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