
なくなった人のたましいが家にかえってくるお盆。 ばあちゃんと、さんたと、兄ちゃんは、たましいをおむかえするための火をたいていた。 「しんだ じいちゃんも きてくれるかな。」 さんたと兄ちゃんが漁師だったじいちゃんの話をしていると、ばあちゃんがいった。 「きょうは けっして 魚を とっては いけないよ。」
ところが日がくれると、兄ちゃんがふねをだした。 「さんた、きょうは だれも 魚を とらない。おらたちが ひとりじめできるぞ。」
兄ちゃんがいったとおり魚がたくさんとれて、むちゅうになるふたり。 そのとき、遠くにふたつの光がぺかりと見えて、音もなく近づいてきたのは……うみぼうずだった!
ひしゃく よこせー ひしゃく よこせー
うみぼうずの声にひしゃくを投げようとすると、「そのまま わたしては いかーん!」というだれかの声が!?

どこか聞いたようなお話ですが、お盆の頃にちょうど良い感じにまとめられたお話です。
お盆の日には漁に出ては行けないという、言い伝えに逆らって沖に出たら思わぬ大漁に。
なんとなくいやな予感でしたが、出てきたのがあまり怖くない海坊主で安心しました。
それにしてもご先祖様の声がなかったら、大変なことになっていたのですね。
お盆はご先祖様と一緒に過ごしましょう。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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