“雨森さん"って魔法使い?同じアパートに住む10人の子どもたちが話し合う、ふしぎな雨森さんのお話。
「最低、一度は同じグループ登校のメンバーで遊ぶこと」。
この宿題のために、スカイハイツマンションに住む10人の子ども達(2年生〜中学1年生)が、マンション前の公園に集まります。
とつぜんの雨に巨大なすべり台の下で雨宿りをすることになった子ども達は、それぞれに同じアパートに住む不思議な「雨森さん」のことを語ります…。
子ども達の体験談は、どれも優しくて不思議で、心が温まります。そして、一人一人が語る毎に、「雨森さん」の輪郭がぼんやりと現われ、深みを増していきます。
主人公不在で進む物語だからこそ、でしょうか。10人目の語り手と、それに続くおまけの後の最終章がドンと心に響き、余韻が残りました。面白かったです。
小説を読む楽しさに気づいた子ども達に紹介したい、一冊です。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子10歳)
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