なおちゃんが眠るときにいつもにぎりしめている大切なハンカチが、ベランダから風で飛んでいってしまいました。追いかけていったなおちゃんは、のねずみがハンカチを使って野いちごを運んでいるのを見つけます。なおちゃんが私のハンカチだと言っても、のねずみは返してくれません。のねずみ親子との交流をとおして、なおちゃんの成長をさわやかに描いたファンタジー絵本です。
幼稚園の異年齢クラスで読み聞かせました。
3〜6歳の子ども達が集まっていますが、難しくもなく、簡単すぎず、
全員が楽しめる一冊でした。
「なおちゃんの大切なハンカチ」のようにそれが無いと眠れないという記憶は、幼稚園児にはリアルに残っている、あるいは、まだ今でも必要としている時期だと思います。
なおちゃんのハンカチはなおちゃんにとって本当に必要だったのですが、なおちゃんより小さいねずみの兄弟が、なおちゃんのはんかちで喜んでくれたり安心してくれたりするのを見ると、なおちゃんは大切なハンカチをねずみの兄弟に使ってもらおうという気持ちになりました。
その心の変化がとても自然で、誰もが共感できるような内容ですので、思いやりを子どもに教える時には良い本だと思います。わざわざ教えないでも、充分に子ども達の心に思いやりの心がじんわりとしみこんでいく、そんな一冊です。 (みきけいさん 40代・せんせい 男の子15歳、男の子13歳、男の子7歳)
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