すむ人がみんな顔見知り。1900年代初頭、北アメリカの大平原にできたそんな小さな町の一年を銅版画で淡々と静かに描いた作品です。細部まで丁寧に描かれた画面から、自然とともに生きる人びとの確かな暮らしが伝わってきます。ボストン・グリーブ=ホーン・ブック賞オナー・ブック
1900年頃。
アメリカの大平原に鉄道が敷設され、駅ができて、その周りに人が集まり、町が生まれました。鉄道はどんどん西に延び、町も人も、どんどん増えてきました。
そんな町の一年が、細かな銅版画で綴られています。版画には、活気溢れる新しい町に住む人びとの、楽しさや辛さや嬉しさや…ささやかな日常のシーンがふんだんに描きこまれていて、見ていると時間が経つのを忘れてしまいます。
訳者が扉で書いたように、アメリカの西部開拓の歴史は明るい一面ばかりではありません。でも、今、この時を一生懸命に暮らす人びとの生活の悲喜こもごもは、心に沁みました。
絵の中には、小さな物語がたくさん隠されていて、それを探すのも楽しいです。巻末にヒントもあります。
何度も繰り返し眺めたい1冊です。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子13歳)
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