生まれながらに脳性まひがあったため、周囲から知的障害と誤解され、人生のほとんどを 施設ですごすことになってしまったピーティ。 過酷な生活のなかでも豊かな心を失わず、ひとつひとつの出逢い、目にするもの、耳にするものに よろこびとおどろきを味わい、自分の人生を生ききったピーティの、光あふれる物語。 友情、家族、障害、医療、常識の中の偏見、ささやかなことの中の大きな発見、そして共に生きるすばらしさ……。 主人公ピーティとの出会いは、読者に心を揺さぶる感動を与えてくれるでしょう。
千葉茂樹さんは、たくさんの児童書に携わっていらっしゃいますが、今回はまた、素晴らしく素敵な物語を翻訳してくださったな〜と、感動しました。
タイトルの「ピーティ」とは、何ぞや?表紙絵に青い鳥が描いてあるけど…。と、本屋や図書館でこの本を手にしたかは思うかもしれませんね。
「ピーティ」は、脳性まひを持って生まれてきてしまった主人公の名前です。
この物語は彼の生まれてから、死を目前にしているころまでを丁寧に描いてくれている作品でした。
これはフィクションということですが、実在の人物にモデルがいるということで、いろいろな出来事や人との出会いに、読んでいて、ものすごくリアリティを感じました。
昨今では日本でも色々な障害を取り上げた作品(フィクション、ノンフィクション含めマンガなども)が、たくさん出版されています。
どの作品もとても心に残るものが多いですが、「障害」を持った主人公が、つらい現実生活を決して悲観せず、前向きに楽しく暮らそうとしてる姿勢に胸を撃たれました。
作品中、介護人シシーのセリフに「ピーティには幸せを感じる力があったの」と、ありますが、
この作品を読んで、ピーティに触れると、読んだ方まで、幸せを感じる力をいただいたような気がします。
「脳性まひ」や「知的障害」を持った人への認識不足ゆえ、また、見た目だけでものごとを判断する人が多い社会図もしっかり描かれているので、少々腹の立つ部分、悲しい部分もありますが、
出来たらこれからの未来に羽ばたいていく多くの中学生、高校生にこの本に触れてほしいと思います。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子10歳)
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