ぬいぐるみのヘンリーは、仲良しのちよみちゃんのそばに戻るために、一大決心をしました……。ぬいぐるみと子どもの強いきずなを、さわやかに描いた絵本です。
ヘンリーは、ちよみちゃんのぬいぐるみのかめです。2人はずっと大の仲良しでしたが、ある日、ちよみちゃんが病気でねこんでしまいました。ちょっと汚れてほこりっぽくなっていたヘンリーは、古くてこわれたものをしまっておく暗いものおきべやに入れられてしまいます。「ヘンリー、あとできれいにあらってあげる。ここでちょっとまっててね」 ヘンリーは、ちよみちゃんのお母さんの言葉をしんじてまちつづけますが、いくらまってもだれもむかえに来てくれません。はじめはしょんぼりするばかりだったヘンリーですが、ものおきべやの古時計や、ともだちのぬいぐるみのくまくんにはげまされて、一大決心をしました……。 湯本香樹実さんのみずみずしく心地よいリズムを持つ文章に、堀川理万子さんがモダンな色使いながらしっとりとした味わいのある絵を描いてくださいました。子どもの心をぎゅっとつかむ、物語絵本の傑作です。
この絵本のヘンリーは、ちよみちゃんと心がつながっていたんでしょうね。
かめのヘンリーが、ちよみちゃんのことを思って自分を洗う姿、とてもけなげでかわいらしいです。
ぬいぐるみが自分の意志で歩いたり、しゃべったりするというお話には、そのぬいぐるみの持ち主とぬいぐるみの間に強い絆があり、どこか心うたれるものがあります。大人になった今だからこそ、そういう気持ちになるのでしょうか?
ぬいぐるみと遊んだ記憶のある方にはおすすめの絵本です。 (カームくんさん 30代・その他の方 )
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