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賢治童話の世界を新鮮な感覚でとらえた絵本。 猟に来た2人の紳士が、山奥で忽然と出現した“注文の多い料理店”に誘いこまれ、案内のとおりにすすんでいくと……。不気味な中に痛烈な風刺がこめられた賢治の傑作。
夏休みだし、そろそろ上の子に宮沢賢治の名作を知って欲しくて、図書館で借りてきました。
「注文の多い料理店」は、私が子供の頃、初めて読んだ宮沢賢治の作品で、他の悲しい話と比べて、とても印象的だったのを覚えています。
山で狩りをしていた2人の男達が、お腹をすかせていて見つけたレストラン。そこはやけに客に注文の多いレストランでした。
それでも最初は2人とも、ドアに掛れた文字通り髪をとかしたり、靴の汚れをとったりします。
そのうち、「つぼの中のクリームをぬってください」なんて、変な注文も書かれて出します。
その次は「香水をふってください」、さらにドアを潜ると、「からだ中にしおをもみこんでください」と書いてあります。
さすがに2人は料理されるのは自分達だと気づいて、顔が紙屑のようになってしまいます。(このへんの表現が賢治らしてすごい!)
そこへ死んでしまったと思っていた、2人の猟犬が飛び込んできて、間一髪!山猫達に食われないですんだというお話です。
池田さんのイラストも中々面白いので、(おじさん達の足のすね毛なんて、中々よかった)お薦めです。 (てんぐざるさん 30代・ママ 8歳、3歳)
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