今日、学校でめえこ先生が出した宿題は、なんと……「だっこ」。 おうちの人にだっこしてもらってください、なんて言うのです。
「えー」「はずかしいよー」「やだー」
子どもたちは口々に言います。 そうだよね、ちょっと恥ずかしいよね。 もぐらのもぐくんもおんなじ。 だけど、あれあれ? もぐくん、なんだかちょっと嬉しそうに急いでおうちに帰ります。
「ただいまー、おかあさーん」
さっそく宿題の話を伝えようと思ったもぐくんですが、お母さんは忙しそう。生まれたばかりの赤ちゃんのお世話をしているので、あまりかまってもらえないのです。そのうちお買い物に行ってしまったお母さん。もぐくんは、今日中に宿題のことをちゃんと伝えられるのでしょうか。
学校の宿題なんて、大変な思い出ばかり。だって、家に帰ったら遊びたいし、忘れちゃうことだってあるし。でも、こんな宿題だったら……やっぱり嬉しいかな。ちょっと大きくなると、ぎゅっとしてもらえる機会は減ってしまうもの。だからこそ、こんな風に宿題にして出されたら、例えイヤイヤだって、仕方なしだって、いい時間になってくれるはず。なにより嬉しいのは大人の方ですものね。めえこ先生、なかなかいい思い付きです。
そして絵本を閉じたら……! 親子で触れ合う貴重な時間を、ぜひ作ってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
先生から宿題がでたよ。きょうは、ちょっとかわった宿題なんだ。それがね、なんだか恥ずかしくて言えないんだけど、ちょっぴりわくわくしちゃう楽しい宿題なんだよ。
学校で出された宿題は、なんと’だっこ!’。でも家に帰ると、お母さんが赤ちゃんのお世話で忙しそう。’早く宿題しなさい!’と言って、まるで構ってくれません。
長男がこの本を読んでいるのを見て、私はドキリとしました。
長男は、抱っこだってー!!と笑いながら読んでいましたが、本当は自分に重なる部分を感じているのでは?なんて、深読みしてしまいました。
小学生だって、まだまだ抱っこして欲しいですよね。たまには甘えさせてあげなくてはと、少し優しい気持ちになれる絵本です。 (ゆりんごんさん 30代・ママ 男の子6歳、女の子2歳)
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