ハンナは小さな女の子。サバス(安息日)のために、お母さんがまっ白なドレスを作ってくれて大喜び。 サバスの晩、ハンナはお風呂に入って、さっそくぬいたてのドレスを着ました。うれしくて、うれしくて、犬のズジーとも、牛のエドナとも、服が汚れるからと遊びませんでした。お散歩に行って戻ろうとすると、森から大きな袋をせおったおじいさんがやってきました。袋を一緒に運び、ハンナがお手伝いをしてあげると、おじいさんはお礼を言って帰りました。ところが、ハンナの新しいドレスには、黒い炭のあとがついています……。
新しいドレスを着て、心を躍らせるハンナ。おじいさんのお手伝いをしてドレスを汚し、悲しみに打ちひしがれるハンナ――。うれしさと悲しみを素直に表現するハンナはとても子どもらしく、その気持ちをくみ取る読者は多いでしょう。もし、自分がハンナだったら……、そんな会話を親子で交わしてみることもできますね。ドレスの白と月の光は、ハンナの純粋な気持ちの象徴とも言えそうです。清く心を洗い直してくれるような結末が待っています。躍動感あふれる、鮮やかなイラストが、ハンナをかわいく描きます。 ――(ブラウンあすか)
ハンナは、道で出会ったおじいさんのお手伝いをして、だいじな服をよごしてしまいました。泣き続けるハンナに……。サバス(安息日)におこった幻想的で美しいお話です。
サバスのためにお母さんが作ってくれたまっ白なドレス。ハンナはうれしくてうれしくてたまりません。汚さないように過ごしたのですが、炭を運ぶおじいさんのお手伝いをした後、黒い汚れがついてしまいました。悲しむハンナ……。
オラ・アイタンのイラストが好きなので手に入れました。ハンナのしぐさや表情がかわいいです。誰だって新品の服を汚してしまったらがっかりです。お手伝いをしたばかりに汚してしまったドレスを見て、ハンナは泣きました。
最後にハンナは月と会話をするのですが、娘にはここでいろいろ感じて欲しいな。汚れが落ちたのか、月の光で白く見えるだけなのか、月の魔法がかかったのか……、たくさんの解釈ができる箇所です。
娘のお友だちにハンナという子がいるので、この絵本は彼女にとって「ハンナ・ジェーンの本」になっています。明るいイラストが好きです。 (ムースさん 40代・ママ 男の子9歳、女の子4歳)
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