画家エド・ヤングのダイナミックな絵画表現に魅了されて昨年2010年に版権取得しておりましたが、このたびの東日本大震災での目に余る津波映像の氾濫に戸惑い、出版を躊躇しておりました。 しかし、津波から人命を救うため、財産を捨てて村人を高台に走らせた主人公の自己犠牲の精神、そして地震が起きた際の身の処し方について、この絵本が伝え、学ぶことはとても大きく、改めて出版の意義を新たにしました。 思い出すことも辛い体験ではありますが、戦争や原爆と同様、悲惨だから恐ろしいから自粛、封印するのではなく、後世に伝え続けることにも大きな意味があると信じます。 なお、このお話は、小泉八雲が「生き神様」として発表した原作を、2009年に米国在住のカジカワ・キミコ氏が再話し、作品化した翻訳書です。日本国内では、「稲むらの火」として再話された作品が現在、小学校5年の教科書に60数年ぶりに採用されています。
2011年の東日本大震災の大津波に先んじて完成されていた絵本。
ただ、あの震撼とする現実の映像と、被災者を慮って出版を躊躇した絵本。
この絵本を見て、鬼気迫る迫力を感じるだけに、エド・ヤングさんの躊躇はよく分かります。
津波から村人を助けた長老の知恵。
自ら稲村に火を放って、海岸で祭りに興じる村人を高台に走らせたとっさの行動。
実話を基にしている小泉八雲の作品で、津波の教訓とともに見直されている話ではあります。
同じ話を別の絵本でも見たのですが、この絵本の絵のものすごさに呑みこまれてしまいました。
あの大津波の地獄が再現されているようで、怖さも感じながら、忘れてはいけないものとして、この絵本を推薦します。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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