母さんは戦場に出かけておるす。けれど、幼い5人の姉弟は「学校ごっこ」をしたり、母さんに似ているところを競ったりしながら、母さんをいつも身近に感じている…。戦火のベトナムであどけなくのびのびと育つ子どもたちを表情豊かに描いた絵物語。
タイトルからは想像もできない内容でした。
ベトナム戦争下で、当時のアメリカ軍が南ベトナムで住民たちに無差別に近い殺戮、生物兵器の使用など非人道的な行為を行った歴史の中で、そのアメリカ軍にゲリラ兵として戦ったベトナム人民の物語です。
4人の幼子を抱える母親が、戦場に出ていきます。
家族の住まいそのものが戦場のすぐそば。
母親が銃を持って出ていくことが、日常のように描かれています。
しかも事実に即したお話です。
母親の活躍を応援する子どもたち。
考えると、とても恐ろしい話ですね。
この物語に絵を添えたいわさきさんの反戦思想、共産党へのかかわりを見ることができます。
子どもたちの穢れない眼と、モノトーンにまとめられた風景の重さが、不条理な戦いへのいわさきさんの怒りと見てとれます。
今からでは想像できない時代でした。
想像するしかないけれども、ジョン・レノンの「イマジン」のように、想像しながら平和を祈りたいと思います。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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