シャーロットが初めて赤ちゃんを生んだすぐあとに、この絵本は書かれました。 赤ちゃんが生まれて、名前はビリーとなりましたが、お母さんはビリーって呼びません。 なんて呼んだかというと、 「ちいさい あひるさん」とか 「ちいさい かえるちゃん」 「ちいさい くまさん」 「ちいさい うさぎさん」 としか呼びません。だって、あひるやかえるやくまにそっくりだったからです。 ところが、ある日のこと、赤ちゃんは、人間の子どもでなければできないことをしたのです。赤ちゃんは自分の足で立ち、初めて「ママ」と呼んだのです。 母さんは思わず、赤ちゃんを抱きしめて、赤ちゃんの名前を呼びました。 「ビリー!」 あなたは、この世界で、たった一人、ビリーよ!
お母さんの嬉しさ、赤ちゃんの誇らしさが、感動的です。
生まれたばかりの赤ちゃんは、何とも不思議な「生き物」です。
まだ親のこともわからない赤ちゃんは、気ままに泣いたり怒ったり笑ったり…、寝ている時、ミルクを飲んでいる時、遊んでいる時…。
そんな赤ちゃんを、お母さんはさまざまな生き物になぞらえて呼びかけます。
そして…、初めて赤ちゃんから「ママ」と呼ばれたとき、心から赤ちゃんを名前で呼んで抱きしめるのです。
親として一度だけ出会える至福の瞬間を、素晴らしい表現でまとめています。
何と懐かしい時を思い出させてくれる絵本でしょう。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
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