おばさんの袋から落ちた赤い本。 みて、ほんだよ! と、ふたりの子どもが見つけます。 だいじにね。ほこりだらけにならないように、いぬがかまないように、あめにぬれないように。 たったそれだけのシンプルな言葉から、 ファンタジックな場面がつぎつぎ展開します。 ここはどこ? どんな世界? 子どもたちは、トタン板(?)のボートで、空に浮かんだり・・・ ティーカップに入って水の中をぷかぷか・・・ ペットボトルで空中散歩。
本書の折り返しに 「本は私たちをどこまで連れてってくれるのだろう?」 とあるとおり、どこまでも!連れてってくれるような絵本です。 リビー・グリーソンのシンプルな文を訳したのは、詩人の谷川俊太郎さん。 鉛筆でスケッチしたようなタッチの画は、2010年にケイト・グリナーウェイ賞を受賞したフレヤ・ブラックウッド。 あれ? 絵本の中に出てくる「ほん」は、この絵本にそっくりじゃありませんか?
赤い表紙に、金色の文字が美しい。 一緒に読む大人も、きっと楽しめます。 そう、「なんども なんどでも」。 くりかえし開いて、そこに広がる世界を旅したくなるような、素敵な絵本ですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ほこりにまみれた一冊の本と出会ったときから、世界が変わりはじめた。 見慣れた風景はたちまちその姿を変え、ページをめくるたびに、想像の世界が無限に広がる……。 本は、私たちをどこまで連れていってくれるのだろう?
タイトルの「みて、ほんだよ!」と暖かみのある優しい絵の雰囲気に心惹かれて手にとってみた本です。
おばあさんの買い物袋の中からこぼれ落ちた本の行方は?
子育ての中での本の役割を育児ツールなんていう言い方をする向きもありますが、私にとっては子どもの頃から大切な友だちです。
自分の経験していないこと、知らない世界、現実やファンタジーの世界など、本を開いて行ける世界には限りがありません。
現実と空想の世界をつなぐような絵が印象に残りました。
表紙のきれいな金文字とそれとは対照的に水に濡れて少し色むらができた赤い表紙の色からは、そこからすでに本の世界が広がっているような気がしました。
フレア・ブラックウッド、他の作品も見てみたいと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子11歳)
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