「ぼく、ブブヒコ。」 真っ黒で小さな体にぱっちりおめめ。ピンと立った耳と愛嬌のある鼻が特徴のフレンチブルドックです。 ブブヒコは今日もパパしゃんとお散歩。 パパしゃんとのお散歩は、いつもおかしなことがおきるんだ!
公園に行くと、近所の犬たちが勢揃い。大きな犬を前に身を固くしながらも、大好きなドーナツ屋さんを発見して大興奮のブブヒコです。 「ドーナツかってあげよう。ほら、おまえはちっちゃいから、ちっちゃい方をあげるよ。」 ちぇっ。パパしゃんが買ってくれた小さいドーナツを「パクッ」あれれ、失敗。 コロコロ転がるドーナツを追いかけていくうちに、ブブヒコは不思議な世界へと迷い込んでいきます。 途中で出会ったチワワと一緒にたどりついたのは「チッチャイナタウン」! この世界では何もかもが小さくて、ブブヒコはとてつもなく大きいのです!? 「へぇ、ぼく、はじめて大きいって言われた」 普段大きく見えていたものがすごく小さくて、普段じゃ見つけられないくらい小さな「蚊の涙」には果てしない海が広がっていて・・・。
大きい、小さいをテーマに、色んな表情を見せながら活躍するブブヒコとチワワのお話です。 何を隠そう、ブブヒコのモデルは作者の中川ひろたかさんの愛犬ブブヒコなのです。 ということは、パパしゃんは中川さんかな。(そっくりです) かつて『それいけ!ブブヒコ』『あっぱれ!ブブヒコ』と幼年童話の形で出版されていた作品の、第3作目として書かれていたものが新たに絵本として蘇ったのだそうです。ダジャレ満載中川節は健在のまま、大きくなったり小さくなったり、不思議な展開に振り回されるブブヒコの様子が描かれていて、なかなか読み応えのある物語なのです。 大好きな犬たち、そしてブブヒコ、パパしゃん。全画面から愛情がたっぷりと溢れ出てくる大島妙子さんの絵は、もちろんこの作品のもう一つの大きな魅力です。ドーナツを追いかける時のブブヒコの顔ときたら・・・しばらく忘れられそうにありません。 もとの小さな体に戻っても、心はちょっと大きくなったブブヒコ。皆さんも会いにきてね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
小さい犬のブブヒコはおやつにちっちゃいドーナツしかもらえません。散歩の途中で不思議なチワワを追いかけて行くと、チッチャイナタウンに着きました。そこでは何でも小さくて、ブブヒコは大きくなっちゃった!?
このお話は、小さなパグのブブヒコとその買主のゆるい日常のお話でした。そのゆるい感じがたまらなくかわいかったです。買主さんがブブヒコにドーナツを買ってくれたのですが、ブブヒコはそのドーナッツを落として追いかけたらへんてこりんな世界へと入っていきました。そこで、かわいいお友達もでき、また本当の世界に帰ってきたら優しい買主さんが待っていて元の日常に。心がホンワカして素敵な絵本でした。 (イカリサンカクさん 20代・ママ 男の子6歳)
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