「しあわせをつかもうと旅にでた兄弟ぐま。 朝から晩まで歩きつづけ、お腹ペコペコ。 「なんだろう、あれは!」 道の真ん中に大きなチーズ! 自分の分を大きくしようと大喧嘩の兄弟、 そこへやってきた、ずるキツネ。 チーズをとると片方を大きく割りました。 「あっ、あんなに大きさがちがうよ!」 チーズはみるみる小さくなって…… よくばりはダメよ!
陶器の兄弟ぐまが、いい表情! 新たな〈くまの子絵本〉登場。
ロシアや東欧の民話などの翻訳の多い内田莉莎子さんによるハンガリー民話。
深い深い森の奥に住む二匹のこぐまたちは大きくなって、
将来の夢を思い描き、旅をしたくなるのです。
そんな二匹をお母さんぐまは快く送り出してくれますが、
「けんかをしないように」と助言します。
ところが、お腹のすいた兄弟は道中チーズをめぐってけんかしてしまうのです。
漁夫の利さながら、通りがかったキツネにまんまと食べられてしまうくだりは、
さながらイソップ寓話みたいですね。
立体イラストレーターによる絵で、こぐまたちの様子が陶器で表現されているのが目新しいです。
こぐまたちの絶妙な表情や目線が絶妙です。
ただ、ハンガリー民話なので、おにぎりが登場するのがちょっと残念です。
そのあたりも、ハンガリー風にこだわって欲しかったです。 (レイラさん 40代・ママ 男の子19歳、男の子17歳)
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