この「絵本」を読んで、村上春樹がオールズバーグの絵本を訳し続けていること、シルヴァスタインの『おおきな木』を再訳したことが納得できたように思いました。
大人の中の子ども心、夢あるいは不可解な世界、説明できない心象世界にとても深い関心があって、解読していくのが楽しいのです。
この絵本(?)は、市立図書館をおとずれた主人公が建物の中で体験した不思議な日々を描いています。
怪しげな老人、羊男、不思議な女性が繰り広げる世界は、実は自分の心の中のことではないかな?
図書館に閉じ込められてしまうという設定は少し気にかかるのですが、それだけ図書館が好きだということに理解しました。
無事脱出できた主人公ですが、オールズバーグの世界を思い起こさせてくれます。
挿絵がールズバーグだったらもっと重い感じになったのでしょうが、佐々木マキさんの絵にも納得です。