まず絵、これは文句なしに、迫力があってすばらしいです。(ただし、メルヘンチックなかわいらしい絵が好きな、我が家の長女タイプには、うけないでしょう。)
しばてんとは、すもうが好きなばけものだそうです。しばてんとすもうをとった者は、足腰が立たなくなってひと月も野良仕事ができなくなるので、村人たちは暴れ馬を使ってしばてんを追い出しました。そのすぐ後、村はずれに捨てられていた赤ん坊がたろうです。たろうは、やはりすもうがとても強く、大人を次々に投げ飛ばしてしまったので、しばてんの生まれ変わりにちがいないと山へ追っ払われてしまいます。
ところがたろうは、日照りが続き飢えに苦しむ村人たちを助けようと、食料を独り占めしていた長者の蔵を壊します。
村人たちはまた、たろうといっしょに暮らすようになりますが・・・。
村人たちの身勝手さ、人間の弱さを見せつけられるラストシ−ンを、どう評価したらいいのか、とても迷いました。でも、一度ぜひ読んでみて、皆さんなりの評価をしてみてください。
きっと、子供心に何かを感じられる絵本だと思います。(小学生くらい〜大人向き)