箱のなかにはいっているのは?!
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絵本紹介
2023.09.14
起き抜けに窓を開けたときの風、ふと見上げた空に浮かぶ雲の形、じんわりと色づいた葉っぱ。あなたが秋の到来を感じるのはどんなときですか? 五感をそっとなでていく新しい季節のサインに触れるたび、胸が躍るのを感じます。それは、めぐる季節の中で生きている幸せを感じる瞬間です。
子どもたちは、そんな身近なところに潜むサインを発見する才能に満ち溢れています。彼らが最初に気づく秋のサインは「どんぐり」かもしれません。父さんリスが夏に埋めたどんぐりを探す『ドングリさがして』、木から落ちたどんぐりの一生に思いを馳せる『どんぐり』。また、『いぬのにっちゃんあきとふゆ』では、秋ならではの植物や動物を見つけるお手伝いをしてくれます。
お散歩や公園遊びが楽しい季節、秋の風景が印象的な絵本から、身近の自然へ目を向けて、季節を感じる感性を一緒に育んでいきましょう。
出版社からの内容紹介
日本一高くて美しい山として知られている富士山ですが、実際はどのような山なのでしょうか。本書では、そこに生息する動物や植物をはじめ、高度によって変わる風景、四季の変化、山の成り立ちなど、さまざまな角度から富士山を紹介していきます。
出版社からの内容紹介
「たびにでよう たびにでよう リュックをせおって あるいていこう」
そんなリズミカルな言葉から始まる、男の子と犬のふしぎな冒険物語です。
木になっているリンゴを食べたら耳が大きくなって、いろいろな音が聴こえてきたり……。木イチゴを食べたら鼻が長くなって、きれいな小鳥たちがとまりにきたり……。
ほとんどのページに文字がなく、奇想天外なできごとがアニメーションのように左から右へと描かれています。
「この絵本の中には、当時の私の気持ち……まだ見ぬ新しい世界への期待や不安、そして希望がこめられています。この本のページをめくりながら、主人公の男の子と黒犬と一緒に不思議な世界を旅してください。そして、みなさんがいつか「たびにでよう」って、広い世界への一歩を踏み出してくれたらうれしいです。」(著者あとがきより)
降矢ななさんが、今も暮らすスロヴァキアへ旅立った年にうまれた絵本。
1992年初版の『たびにでよう』の改訂新版。改訂新版よりあとがきを追加しています。
この書籍を作った人
1961年東京生まれ。スロヴァキア共和国のブラチスラヴァ美術大学で石版画を学ぶ。作品に『めっきらもっきらどおんどん』『ちょろりんのすてきなセーター』『きょだいなきょだいな』『おっきょちゃんとかっぱ』『まゆとおに』(以上福音館書店刊)、「おれたち、ともだち!」シリーズ(偕成社刊)、『赤いくつ』(女子パウロ会)、『もめんのろばさん』(ポプラ社)他多数。
出版社からの内容紹介
身近な自然を楽しむ絵本
さまざまに色づく秋の葉っぱ、草花がすっかり枯れ果てた冬の河原にひっそりと息づく、小さな生き物たち。秋から冬へと少しずつ変化していく季節の中で、どんな植物や生き物に出会えるかな? いぬのにっちゃんやねずみ君と一緒に身近な自然を探してみよう。巻末に、植物や生き物の豆知識を解説した図鑑さくいん付き。おもしろい自然の知識がいっぱいの自然観察絵本です。
この書籍を作った人
絵本・イラスト・立体造形作家。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。中森デザイン事務所を経て、フリーに。『色えんぴつでかわいい鳥たち』『どうぶつのかたち練習帳』(パイ インターナショナル)、『どうぶつえんに いきましょう』『ぼくと小さなポポフ』(教育画劇)など著作多数。
出版社からの内容紹介
かこさとし未発表作品、ついに刊行!
倉庫に眠っていた、かこさとし未発表作品は、コロナでステイホームの期間中、
加古総合研究所の鈴木万里さん(かこさとし長女)が作品整理中に見つけたものです。
この作品の最初の原稿執筆が1953年、なんと構想から実に68年、
半世紀以上を経て初めて世に出るオリジナル作品です。
テーマは、かこさんが終生、憎んでいた「戦争」です。
太平洋戦争のとき、高校生だったかこさんが体験した実話です。
戦争の悲惨さに怒り震えるかこさんが、いつまでも忘れないようにと
子どもたちに伝えようとした作品です。
平和を願うかこさんの強い思いが込められています。
子どもたちの未来を考えるすべての皆さんに、天国のかこさんからの贈り物です!
この書籍を作った人
加古里子1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。
みどころ
見上げる木々の梢から、無数のどんぐりが降ってくる。
こんな光景から、この絵本は始まります。
地面に落ちた美しいどんぐりたち。しかし、ページをめくるたび、それらは森の生物たちに食べられていきます。
野ネズミが食べ、鳥が咥え去り、穴が空いたどんぐりの表面からは中を虫が喰ったことがわかります。
そこから生き残って根を出し芽吹いたどんぐりも、若芽が動物や虫に食べられ、ほとんどが死んでいきます。
けれども……。
この絵本は絵だけで進んでいきます。
どんぐりが落ちた地点を定点観測するように、めぐる季節を越えて、植物、生物たちの営みが描かれます。
精緻に描かれた画面に見入っていると、葉擦れの音や土の匂いまでしてきそうです。
モノクロと鮮やかな色彩の対比も、ハッと目を惹きつけられます。
生きようとする命が、他の命の糧になっていく。
ここに描かれる森の生命のやりとりに、誰もが圧倒されることでしょう。
命を見つめ、向き合い続ける作者・舘野鴻さんだからこそ生まれた一冊。
幅広い年齢の読者に手に取ってほしい絵本です。
この書籍を作った人
1968年、神奈川県生まれ。絵本作家・生物画家。幼少期より、 熊田千佳慕氏に師事。美しい細密画で多くの人々を魅了している。2017 年、『つちはんみょう』(偕成社)で小学館児童出版文化賞を受賞。絵本に『しでむし』『ぎふちょう』『がろあむし』(偕成社)、「みかづきのよるに」「うんこ虫を追え」(福音館書店)、『あまがえるのかくれんぼ』『ねことことり』(世界文化社) など、読み物に『ソロ沼のものがたり』(岩波書店)がある。
出版社からの内容紹介
うさぎの家族がピクニックに行くと、どんぐりがいっぱいで大よろこび! すべって拾って、みんなであそびます。そして帰り道は…。
もりの うさぎの うたえほん シリーズ第2弾
この書籍を作った人
北海道小樽市生まれ。武蔵野美術大学商業デザイン科卒業。主な作品に、「ぷくちゃんえほん」シリーズ、『いちにのさんぽ』、『あめぽったん』(すべて、アリス館)、「やさいむら」シリーズ、『ぞろりぞろりとやさいがね』(ともに偕成社)、「かばくん・くらしのえほん」シリーズ(あかね書房)などがある。日本児童出版美術家連盟会員。
出版社からの内容紹介
元気なはい色リスのアールが、外をながめて、目をぱちくりさせました。
冬が、すぐそこまできています。
きょうこそ、夏にうめておいたドングリをさがしにいくときです。
ワシントンの街を背景に、家族のためにがんばるお父さんリスを描いた絵本。
「今まででいちばん美しい本になるような気がします」そう手紙に書きつつも、スケッチのまま埋もれていたドン・フリーマンの作品を、息子ロイが見事に完成させました。
家族への愛情が伝わってくるあたたかい物語、美しい絵、親しみやすい文章など、小さいお子さんもきっとこの小さな主人公に共感し、小さな冒険を楽しんでくれることでしょう。
この書籍を作った人
1908年、アメリカ カリフォルニア州生まれ。高校卒業後、ニューヨークに出て、絵の勉強をする。劇場案内の絵やポスターを描くうちに、絵本づくりの魅力にとりつかれ、多くの絵本を残した。「くまのビーディーくん」「にんぎょうのくに」(以上偕成社刊)などの作品がある。1978年没。
この書籍を作った人
1937年東京都生まれ。瀬戸内海で幼少年期を送る。京都大学仏文科卒業。海育ちの海好きで、海を舞台にした作品が多い。『海のしろうま』(理論社)で野間児童文芸賞、『はんぶんちょうだい』(小学館)で小学館文学賞、『まつげの海のひこうせん』(偕成社)で絵本にっぽん賞、『カモメの家』(理論社)で路傍の石文学賞を受賞。絵本の翻訳に「バーバパパ」シリーズ(講談社)、「カロリーヌ」シリーズ(BL出版)などがある。
文:栗田奈緒子 編集:木村春子