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2025年2月 新刊&おすすめ絵本

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絵本紹介

2025.02.19

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厳かで美しい 冬の絵本(2025年2月 新刊&おすすめ絵本)

目次

肌を突き刺す冷たい空気。抗っても向かってくる北風。重い雲が垂れ込める鈍色の空。止めどなく降る雪に覆われていく白銀の景色。
目の前に立ちはだかる寒さに対して、私たち人間も生きものたちもただひたすら耐え忍ぶことしかできません。それでも冬が生み出す風景はどこか凛とした美しさを纏っていて、時に息をのむような世界を見せてくれます。

厳かさと美しさ、相反しながらも調和した冬の姿が印象的な絵本をご紹介します。
しんしんと雪が降り積もる外、今日は園もお休み。雪が降る一日を真っ直ぐな子どもの目線で優しく静かに描いた酒井駒子さんの『新装版 ゆきがやんだら』。曇天の空、雪の野原、山や海を吹き抜ける北風ーー『冬 ふゆ』は、五味太郎さんが冬の生命のきらめきを力強く紡いだ一冊です。

モノクロームの世界が幻想的な『宮沢賢治の絵本 雪わたり』。氷上の線が紡ぐ軽やかなストーリー、スージー・リーさんが描く『せん』。2つの物語が交錯する不思議なおはなし、安野光雅さんの『かげぼうし 新装版』など、どれをとってもそれぞれにちがう冬の表情が魅力的なラインナップ。窓の外の冬景色を眺めながら、作品の余韻まで堪能してください。

酒井駒子さんが描く優しい雪の世界をより原画に近く再現。各国で翻訳出版されるロングセラー絵本が新装版で登場『新装版 ゆきがやんだら』

  • 新装版 ゆきがやんだら

    みどころ

    今日は朝から雪が降り続き保育園は休み、帰ってくる予定だったお父さんの飛行機も停まってしまいぼくとままの二人きり。外はすっかり雪に覆われて一面真っ白の雪景色。この世に二人だけしかいないようないつもとは違う別世界、特別な時間が過ぎていきます。心が温まる親子のおはなしです。

この書籍を作った人

酒井 駒子

酒井 駒子 (さかいこまこ)

兵庫県生まれ。『ゆきがやんだら』(学研)はオランダで銀の石筆賞を受賞。『きつねのかみさま』(ポプラ社・作:あまんきみこ)で日本絵本賞。『金曜日の砂糖ちゃん』(偕成社)でブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌賞。『ぼく おかあさんのこと...』(文溪堂)では、フランスでPITCHOU賞、オランダで銀の石筆賞を受賞。絵本に『よるくま』(偕成社)、『ロンパーちゃんとふうせん』(白泉社)など多数。

子狐の紺三郎と仲良くなった四郎とかん子。月光が美しい夜、狐小学校の幻燈会に招待され……モノクロの銀世界が幻想的『宮沢賢治の絵本 雪わたり』

  • 宮沢賢治の絵本 雪わたり

    出版社からの内容紹介

    「堅雪かんこ、しみ雪しんこ」雪がすっかり凍った夜、四郎とかん子が小さな雪沓をはいて、歌いながら歩いていくと、森の中から子狐の紺三郎が出てきて、歌に入ってきます。二人は、紺三郎と友達になり、狐小学校の幻燈会に招待されました。月のきれいな晩、森の木の枝に白い敷布がかけられ、いよいよ幻燈会が始まります・・・。色彩を多く使わない黒と白の幻想的な世界がなんとも美しい1冊。

「宮沢賢治の絵本」シリーズ

この書籍を作った人

宮沢 賢治

宮沢 賢治 (みやざわけんじ)

1896年岩手県花巻市に生まれる。盛岡高等農林学校農芸化学科卒業。十代の頃から短歌を書き始め、その後、農業研究家、農村指導者として活動しつつ文芸の道を志ざし、詩・童話へとその領域を広げながら創作を続けた。生前に刊行された詩集に『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』がある。彼の作品の殆どは没後に高く評価され多数の作品が刊行された。また、何度も全集が刊行された。1933年に37歳で病没。主な作品に『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『ポラーノの広場』『注文の多い料理店』『どんぐりと山猫』『よだかの星』『雪渡り』『やまなし』『セロひきのゴーシュ』他多数。

この書籍を作った人

方緒 良

方緒 良 (かたおりょう)

熊本県生まれ。1980年くらいからイラストの仕事を始める。独特のモノクローム作風で、単行本の表紙イラスト、挿絵などで活躍。児童書挿絵に「星の砦(芝田勝茂・文)」(理論社)、「【ホラーセレクション】サイコ(赤木かん子・編)」(ポプラ社)などがある。この「雪わたり」でけんぶち絵本の里 びばからす賞受賞。趣味は船などの模型を作ること。

雪の野原、山、海を吹き抜ける北風のゆくえはーー厳かな寒空の下、きらめく生命。五味太郎さんが静かに強く紡ぐ絵本『冬 ふゆ』

  • 冬 ふゆ

    冬 ふゆ

    作・絵:
    五味 太郎
    出版社:
    絵本館

    出版社からの内容紹介

    きびしい寒さのなかであふれる生命の力。うつくしい言葉といっしょに力づよく描かれています。

「五味太郎 四季」シリーズ

この書籍を作った人

五味 太郎

五味 太郎 (ごみたろう)

1945年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。絵本作家。子どもから大人まで幅広いファンを持ち、その著作は450冊を超える。世界中で翻訳出版されている絵本も数多い。『かくしたのだあれ』『たべたのだあれ』(以上文化出版局刊)でサンケイ児童出版文化賞受賞のほか、ボローニャ国際絵本原画展等、受賞多数。『みんなうんち』(福音館書店刊)、『きいろいのはちょうちょ』(偕成社刊)、『さる・るるる』(絵本館刊)などの作品がある。

鉛筆の先から生まれるのは、スケートをする少女が氷上に残すのびやかな『せん』。線が織りなす軽やかで魔法のようなストーリー

  • せん

    出版社からの内容紹介

    「すべての物語は、一本のせんからはじまる」――えんぴつの先から一本のせんが生まれ、スケートぐつをはいた赤いぼうしの少女がすべりだした。そこは白い氷のうえ。少女はのびやかな曲線を描き、軽やかにジャンプ! ところが……。世界的絵本作家スージー・リーが贈る、驚きと幸福感にみちた魔法のような絵本。

この書籍を作った人

スージー・リー

スージー・リー (すーじーりー)

韓国・ソウル生まれ。ソウル大学卒業後、ロンドンのキャンバーウェル芸術大学で学ぶ。絵本作品はヨーロッパ、アメリカ、アジアの国々で出版され、高く評価されている。邦訳作品に『なみ』『かげ』(以上 講談社)『せん』(岩波書店)などがある。2022年国際アンデルセン賞・画家賞受賞。

街に、野山にやって来た冬。マッチ売りの少女とかげぼうしの国の見張り番が交錯する物語。安野光雅さんが紡ぐ不思議な世界『かげぼうし 新装版』

  • かげぼうし 新装版

    出版社からの内容紹介

    まちに冬がきた。野山にも冬がきた。
    山のむこうのずーつと、ずーつとむこうにある秘密の国、「かげぼうしの国」にも冬がきた。
    マッチ売りの少女と「かげばうしの国」のみはり番がくりひろげる、ふしぎな、ふしぎなお話。

この書籍を作った人

安野 光雅

安野 光雅 (あんのみつまさ)

1926 年、島根県津和野町生まれ。美術にとどまらず、文学、数学など、創作の分野は多岐にわたる。国際アンデルセン賞、菊池寛賞、文化功労者など、受賞・受章多数。絵本に『ふしぎなえ』『さかさま』『ふしぎなさーかす』『もりのえほん』『あいうえおみせ』『ABC の本』『あいうえおの本』『天動説の絵本』「旅の絵本」シリーズ (以上、福音館書店)、『繪本 平家物語』(講談社)、『魔法使いの ABC』(童話屋) など。著書に『かんがえる子ども』(福音館書店)、『絵のある人生』(岩波書店)、『本が好き』(山川出版社) など。故郷の津和野町には安野光雅美術館がある。2020 年 12 月没。

降りしきる雪の中、ソリ大会の準備のため村に買い物に出かけた妹。心配した兄は……厳しい自然の下に暮らす人々の力強く美しい姿『大雪』

  • 大雪

    みどころ

    スイスの画家カリジェの描くウルスリとフルリーナの兄妹のおはなし、美しい絵が人気の絵本です。あしたは子どものそり大会、二人は準備にとりかかります。フルリーナは兄に言われて毛糸を買いに出かけますが・・・。厳しい冬の自然の姿、生活、その中にきらきらと輝く子供達の生命力や華やかに飾り付けられたそりの美しいこと。胸を打つ作品です。

宮沢賢治研究で知られるロジャー・パルバース氏の英訳、戸田恵子さんによる語り。英語と日本語で堪能する美しい雪の世界『英日CD付2ヶ国語絵本 雪渡り Snow Crossing』

  • 英日CD付2ヶ国語絵本 雪渡り Snow Crossing

    出版社からの内容紹介

    「竪雪かんこ,凍み雪しんこ」。雪が大理石よりも堅くなった野原で,四郎とかん子は子狐の紺三郎と出会いました。ふたりとキツネたちとの交流が鮮やかに描かれています。

    「英語・日本語が交互」に掲載されている絵本に,「英語・日本語一文ずつ交互に収録したCD」がついています。
    こどもが初めて英語の物語に出会う時,英語だけではなかなか楽しめません。
    日本語の語りが助けとなり,英語物語の世界へ自然と引き込まれていきます。

「英日CD付 英語絵本」シリーズ

この書籍を作った人

司 修

司 修 (つかさおさむ)

1936年生まれ。独学で絵を学び、絵画創作にとどまらず、絵本の原画、書籍の装丁、また小説の執筆にと幅広く活躍する。絵本には、宮澤賢治童話、松谷みよ子、新美南吉らの諸作品の原画のほか、創作絵童話に『はずかしがりやのぞう』(1968)、『ちびっこわにの冒険』(1971)、『おとうさんだいすき』(1995)、『アスカ』(2004)、また歴史絵本の傑作『河原にできた中世の町』(1988)、創作の現場を顧みたエッセイ『絵本の魔法』(2013)などがある。

囚えられた友のカイを救うために立ち向かうゲルダ。恐ろしくも美しい雪と氷の世界『雪の女王』没後150年を迎えるアンデルセンの不朽の名作

この書籍を作った人

アンデルセン

アンデルセン (あんでるせん)

1805年、デンマークのオーデンセに、貧しい靴職人の子として生まれたアンデルセンは、幼少の頃から父にアラビアンナイトなどの物語を読み聞かされ育ち、その父が早くに亡くなった為に学校を中退します。俳優を志してコペンハーゲンへ行くものの、途中で挫折。その後も挫折を繰り返しながらも大学を卒業します。国外を遊学した後、30歳の時、イタリア旅行の体験をつづった「即興詩人」を出版、作家として認められます。同年「童話集」を発表し、それ以降、70歳でなくなるまでに、『おやゆびひめ』『人魚ひめ』『みにくいあひるの子』『はだかの王さま』など150編あまりの童話を発表し、今なお世界中の人々に読みつがれています。極度の心配性で、生涯独身だった彼にまつわる変わったエピソード(手先が器用、旅行が大好き・・・など)も数多く残されているようです。

この書籍を作った人

バーナデット・ワッツ

バーナデット・ワッツ (ばーなでっとわっつ)

1942年、イギリスに生まれる。父親は建築家、母親は舞台装飾家という恵まれた家庭で育つ。幼い頃から絵が好きで、絵を描くこと、お話をつくることは彼女の楽しみで、4歳のときにビアトリクス・ポターの影響を受けてつくった初めての本は現在も残っている。ケント州のメイドストーン美術学校で学び、絵本作家のブライアン・ワイルドスミスに師事した。これまでに、グリムやアンデルセン童話の挿絵を中心に最近は創作絵本も手がける。イギリス・ケント州在住。

動画公開中

文/竹原雅子 編集/木村春子

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